島津精密万能試験機オートグラフの安全使用について

 オートグラフは素材や製品の機械的強度特性を測定するための非常に便利な試験装置です。 ただし、間違った方法で使用したり、安全に対する配慮が欠けた場合、重大な事故につながる可能性もあります。 ここでは,オートグラフを使用するときに,想定される危険および安全に使用していただくための留意点を記載しています。

  • 1. はじめに

     オートグラフは素材や製品の機械的強度特性を測定するための試験装置です。
    試験には常に危険が伴うことを強く意識し、安全に対する心構えを身につける必要があります。
    操作者は必ず取扱説明書を熟読し、正しくお使いください。また、操作方法について教育を受けた方だけがお使いいただくようお願いします。


  • 記載事項の説明
     なお,このページでは,守っていただく内容の種類を次のような表示で区分しています。

    禁止 この表示はしてはいけない内容を示します。
    一般強制 この表示は必ず実行していただく内容を示します。

2. 試験準備時の注意事項

一般強制 ストロークリミットスイッチの設定
クロスヘッドの運転の前に、クロスヘッドストロークリミットスイッチを必ず設定してください。
治具の衝突によるフレームや治具、ロードセルの損壊のおそれがあります。

禁止 試験空間
試験中は、試験空間に手や頭など、体の一部を決して入れないでください。
重傷または死亡するおそれがあります。

禁止 試験治具の運搬・取り付け
試験治具には、10 kgを超えるものがあります。試験治具を運搬するときは正しい姿勢で持ち上げてください。また落下しないように十分に注意してください。試験治具は、クロスヘッドを低い位置に移動した後、取り付けてください。足元のけがを防ぐために安全靴を着用してください。
治具の落下などにより、身体にけがをするおそれがあります。

一般強制 接地端子
電源ケーブルの接地端子は必ず接地(100 Ω以下)してください。
感電のおそれがあります。

3. 操作・試験時の注意事項

一般強制 つかみ具
つかみ具の開閉時には、つかみ歯内に手や指先を絶対に入れないでください。特に空気式平面型つかみ具はフィガーガードを必ず取り付けてお使いください。
つかみ歯にはさまれ、けがをするおそれがあります。

禁止 試験空間
試験中は、試験空間に手や頭など、体の一部を決して入れないでください。
重傷または死亡するおそれがあります。

禁止 治具の落下
治具の落下に注意してください。抜け止めピンを外さないでください。
つかみ具落下のおそれがあります。

一般強制 試験片(飛散防止カバーのないオートグラフをお使いの場合)
試験中は試験片に顔や身体を近づけないでください。飛散防止カバーを設置し、保護めがねを着用してください。
試験片が破壊する際に破片が飛散し、目や身体がけがをするおそれがあります。

4. 保守点検・整備に関する注意事項

一般強制 制御装置
本体制御装置のカバーは開けないでください。
高電圧部分があるため、感電のおそれがあります。

禁止 電源まわりの清掃
電源プラグに汚れやホコリがたまっていないか確認してください。ホコリなどがたまっている場合は、コンセントを抜いて乾いた布などで取り除いてください。
汚れやホコリが湿気を吸うなどして徐々に絶縁抵抗が下がり、発火するおそれがあります。

禁止 改造禁止
本体および付属品を改造しないでください。また、治具は当社製品をお使いください。
重大な事故を引き起こすおそれがあります。

一般強制 ネジザオ保護カバー
ボールネジに注油するときを除いて、ネジザオ保護カバーは開けないでください。また、ネジザオ保護カバーを開いた状態で試験をしないでください。
ボールネジに衣服、髪の毛、手などが巻き込まれるおそれがあります。