EDX-8100
豊富なアプリケーション
粉末(微・粗粒子) -セメントの定性および定量-
粉末試料の分析は蛍光X線の代表的なアプリケーションです。試料を加圧成形または試料容器にそのまま入れて分析をおこないます。標準的な分析方法である,Na~U定性定量分析によるセメント標準物質の例です。標準試料無しでも正確な定量が可能です。真空雰囲気測定により,軽元素も感度よく測定できます。

液体・スラリー・エマルジョン -廃油中の重元素-
液体試料は底面にフィルムを貼った試料容器に入れるだけで分析が可能です。水溶液,有機溶媒,オイル中の添加成分や摩耗金属などの検出・定量に有効です。
廃油中の重元素はppmレベルでも十分に検出ができます。

異物・材質判定 -樹脂成型品に付着した異物-
EDXは非破壊で元素分析が可能なことから,食品,医薬品,製品に付着または混入した異物の解析に有効です。試料観察カメラとコリメータを使用することにより,微小異物の特定も容易です。
照射径1mmのコリメータは,周辺材質の影響の低減に有効です。その結果,正確な定量マッチングにより,例ではSUS316と材質特定できています。

食品・生体・植物 -海藻のミネラル成分・少量試料-
EDXは,食品や生体試料に含まれる元素の分析にも用いられます。食品に添加した元素の工程管理や作物の生育不良の評価や産地判別にも有効です。
新機能のバックグラウンドFP法により,サンプルが少量であっても,十分な量の場合と同等の定量結果が得られます。研究等で少量しか採取できない場合や,オペレータによる前処理での分析誤差の低減などに有効です。

めっき・薄膜 -無電解ニッケル-りんめっきの膜厚・組成測定-
薄膜FP法により,多層膜の膜厚測定や,膜厚・組成の同時定量が可能です。
めっき膜厚1.8μmと,その主成分Ni,Pおよび検出された微量のPbの組成定量の例です。

非定形めっき試料の膜厚測定
EDXでは、薄膜FP法を用いることにより標準板なしでめっき膜厚の測定が可能です。ただし、薄膜FP法は平滑な測定面を前提とした定量計算法のため、非定形試料では定量誤差が大きくなる問題がありました。
新機能のバックグラウンドFP法を用いれば、ねじの軸部のような非定形試料においても誤差の少ないめっき膜厚測定が可能です。
亜鉛めっきされたねじの膜厚測定例を示します。