MAXima_X XRD-7000

X線回折装置

XRD-7000シリーズは最大幅400mm×奥行き550mm×高さ400mmの超大型試料に対応した試料水平型ゴニオメータを搭載しました。

定性・定量などの基本分析から残留オーステナイトの定量、環境定量、格子定数の精密化、結晶系の決定、リートベルト構造解析などのソフトウエアによる結晶構造解析やアタッチメントを追加しての応力測定、試料加熱測定、薄膜試料測定などの分析に対応しています。

新開発の大型R-θステージにより最大350mmφの試料全面の自動応力マッピング測定を可能にしました。

応力自動マッピングシステム

試料位置をR-θステージマップ画面で設定し、スタートををかけると全自動マッピング測定を行うと共に自動的に応力解析計算を行います。分割して測定した結果の重ね合わせ等の処理も可能です。また、応力解析結果をマッピング表示できます。

下図はブレーキロータのマッピング例です。Fe211の分布が一目瞭然です。

ブレーキロータのマッピング例

ポリキャピラリーユニットを搭載した強力な平行ビーム光学系の採用により、凹凸試料への対応など応用範囲を広げることができます。

ポリキャピラリー平行ビーム光学系を用いた測定例(機械部品編)

ポリキャピラリーとは、多数(poly)のX線を導くガラス製の細束管(Capillary)のことで、これを用いて、ポイントX線源から出たX 線を高い立体角で取り込み、反対側の出口で平行ビームを得るようにしたものです。この光学系は、通常の集中法(Bragg-Brentano法)と比較して、X 線管球から発生したX線を有効に利用できるため、高い回折X 線強度が得られます。また、光学系として平行線束法を用いているので、試料測定面の位置ズレが起こっても回折角度は変わりません。このことは、曲面や凹凸のある試料面でも高感度・高精度の測定ができることを意味しており、集中法では生じやすい、回折線の分離や角度シフトが改善されるなど、機械部品などの実用測定に即した特徴があります。

図1.ポリキャピラリー平行ビーム原理図

図1.ポリキャピラリー平行ビーム原理図

図2.ポリキャピラリーチューブのSEM写真

図2.ポリキャピラリーチューブのSEM写真

ゼオライト触媒の測定例

図3.ゼオライト触媒の写真

図3.ゼオライト触媒の写真

凹凸のある試料の測定例として、自動車排気ガス浄化に用いられているゼオライト系触媒の測定例を示 します。通常法(集中法)では図4の下段に示すとおり、回折角度位置のシフトや回折線の分離が生じます。回折角度が低角度にシフトするのは図1に示す、試料面の穴の内部で反射した回折線が重なったもの と推測されます。 一方、ポリキャピラリー平行ビーム法では、測定された回折線の角度位置がICDDデータベースカード N.o.46-1600 Mg2Al4Si5O18(図中線で示す)と完全に一致しており、試料形状の影響を受けずに分析できる事を示しております。また、回折強度も大きく微小ピークもはっきりと捉えることが出来ます。

図4.ゼオライト触媒の測定データ

図4.ゼオライト触媒の測定データ

溶接ビード部の測定

図5.溶接ビード部品の写真

図5.溶接ビード部品の写真

図6に溶接ビードの腐食部の測定例を示します。腐食生成物はマグネタイト(Fe3O4)を主成分として、 Fe2O3,FeO などの酸化物が検出されました。回折角度2θ=45°付近に検出されたα-Fe は母材と考えられ ます。なお、定量値は検索ソフトで簡易定量(IC_DDデータベースカードに記載されているI/Ic コランダム 比を用いた簡易計算)を行いました。このように、ポリキャピラリー法では、試料の凹凸を気にせずに測定できるため、測定対象が広がります。また、回折強度も非常に高いものが得られるため、検索精度の向上が 期待できます。

図6.溶接ビード腐食部の測定データ

図6.溶接ビード腐食部の測定データ

スチールボールの残留オーステナイトの測定例

図7.スチールボールの写真

図7.スチールボールの写真

試料として、直径約2mm のミニチェアボールベアリングに使用されている、スチールボールを用いた、残留オーステナイトの定量測定例を示します。この場合、試料面は球面でかつ曲率が小さいため、通常法では、試料の頂点付近からのみの回折線しか検出できず、著しい感度低下が生じます。その点、ポリキャピラリー法では、広い面積からの回折線が検出できるため、高い感度での測定が可能で、この測定ではγ-(200).(220)面の回折線(図8最上段)が認められました。また、直接比較法を用いた定量分析で、5本の回折線の平均値で1.01%が得られました。この結果から、凹凸の大きい試料の微小ピークの検出には、ポリキャピラリー平行ビーム法が、大変有効である事が分りました。

図8.スチールボールの測定データ

図8.スチールボールの測定データ

ポリキャピラリー平行ビーム光学系を用いた測定例(薬品・食品・生体編)

ポリキャピラリーとは、多数(poly)のX 線を導くガラス製の細束管(Capillary)のことで、これを用いて、ポイントX 線源から出たX 線を高い立体角で取り込み、反対側の出口で平行ビームを得るようにし たものです。この光学系は、通常の集中法(Bragg-Brentano法)と比較して、X 線管球から発生したX 線を有効に利用できるため、高い回折X 線強度が得られます。また、光学系として平行線束法を用いているので、試料測定面の位置ズレが起こっても回折角度は変わりません。このことは、曲面や凹凸のある試 料面でも高感度・高精度の測定ができることを意味しており、集中法では生じやすい、回折線の分離や角度シフトが改善されるなど、薬品、食品や生体など複雑な形状の試料を直接測定ができる特徴があります。

図1.ポリキャピラリー平行ビーム概念図

図1.ポリキャピラリー平行ビーム概念図

図2.ポリキャピラリーのSEM 像

図2.ポリキャピラリーのSEM 像

医薬品錠剤の測定例

図3.ラニティジン錠剤の外観

図3.ラニティジン錠剤の外観

医薬品や有機物では化学式が同じで、結晶形が異なる、いわゆる結晶多形が多く存在します。これ らは結晶の形が異なる為、その効能や体内での溶解速度などの特性が異なったり、場合によっては特許に抵触したりすることもあり、薬品の品質管理にはX 線回折装置による分析測定は欠かせません。 また、原材料の管理は元より、最近では最終製品である成形品の管理も多く要望されています。しかし、従来の集中法による測定では、錠剤など測定面が平面で無い試料の測定は、回折角度シフトや、 強度の低下が起こり、実用的な分析は出来ませんでした。このような形状の試料に対して、ポリキャピラリー平行ビーム法を適用した分析例を以下に示します。

図4.ラニティジン錠剤の結晶多形測定データ

図4.ラニティジン錠剤の結晶多形測定データ

図4に胃腸薬などに含まれるH2 拮抗剤ラニティジンの、ポリキャピラリー法と標準法による測定例を 示します。この試料では、Form1を主成分としていますが、結晶多形であるForm2 が存在するかどうか を調べることが目的でした。ポリキャピラリー法では、Form2 の特徴的な回折線(2θ=20.°付近)がはっきり認められ、Form2 が存在することが明らかになりました。この点、標準法(集中法)では感度が低 下し、Form2 の存在の有無をはっきり示すことは出来ませんでした。また、ポリキャピラリー法による測定プロファイルは、アモルファスからのピークであるハローピークと結晶部分のピークがはっきり区別で き、結晶化度の計算も正確に行なえることが判ります。

歯牙の測定

図5.歯の外観写真

図5.歯の外観写真

図5のような歯の頭部を通常法で測定しますと、中央部の窪みや回りの凸部にX 線が遮られて、著 しく強度が低下します。ポリキャピラリー法では試料面の凹凸の影響が少なく、通常法では検出されなかった2θ=28°、47°付近の微小な回折線も検出されました。なお、通常法の回折角度は標準試料 のIC_DD データベースカード No.76-694(図中線)と比較して、低角度側にシフトしております。 これらは歯の窪みから反射した 回折線の影響と推定されます。

図6.歯牙の測定例

図6.歯牙の測定例

ボール型チョコレートの測定

図7.ボール型チョコの外観

図7.ボール型チョコの外観

図7 のようなボール型チョコレートを通常法で測定したところ、殆ど結晶性の回折線が検出できませ んでした。ポリキャピラリー法では図8に示すとおりチョコレートに含むショ糖の回折線が明瞭に検出されました。ショ糖の結晶化度は約50%でした。通常法で回折線強度が著しく低下した原因は試料面の湾曲により回折線が影になり、一部中央部しか回折に寄与していない為と考えられます。

図8.ボール型チョコの測定例(結晶化度)

図8.ボール型チョコの測定例(結晶化度)

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