課題解決事例4

生体試料観察
ナノサーチ顕微鏡SFT-3500を使った課題解決事例
エクソソームの可視化とその物性測定
 

更新情報:「細胞工学」(Vol.32,No.1,p.64-65 学研メディカル秀潤社刊)
にご掲載をいただいております(2012年12月21日)New!
タイトル:走査型プローブ顕微鏡によるエクソソーム表面の
物性解析(セルテクアイ)
※ 当社走査型プローブ顕微鏡SPM-9700による測定です。

【克服すべき課題】 生体のなかの微小な観察対象を探し出だすことは容易ではありません。さらに物性計測を行なう場合はその対象を特定する必要があるために手法は限られてきます。

ナノサーチ顕微鏡(R) SFT-3500 対物レンズ一体型のSPMヘッド

 エクソソームは,大きさが数十nm-300nm程度の小胞のため光学顕微鏡では対象の大きさから観察困難です。また電子顕微鏡は試料調製のわずらわしさや真空と電子ビームによる変質の問題があり,また物性計測も一般的ではありません。
 エクソソームの電子顕微鏡観察は多く実施されていますが,三次元観察とその物性計測がおこなわれた事例はきわめて少なく,まだ未知なことが多いのが現状です。

【解決!】
ナノサーチ顕微鏡®は,レーザー顕微鏡(LSM)と走査型プローブ顕微鏡(SPM)が高精度に複合した顕微鏡です。
この装置は細胞やエクソソームなどを的確に見出してSPM観察と物性計測を行なう際に抜群の迅速性を誇ります。またLSM,SPMともに大気中観察が行なえるため,試料調製が容易です。

LSMの対物レンズとSPMのカンチレバーを同軸で相互に切り替えられるため,LSM観察で特定した対象を見失うことなくSPMに切り換えて超高倍率な観察が行えます。

【エクソソームとは】

 すべての細胞はさまざまなタンパク質などを自身の細胞から分泌しています。このなかには細胞が不要になったタンパク質やアミノ酸などを内在した生体膜からなる小胞があります。エクソソームは,大きさが数十nm-300nm程度の小胞です。このエクソソームは細胞近傍のほかに血液,尿,唾液,母乳などの体液をとおして体内を循環しています。
そこで,がん細胞などの悪性細胞から分泌されるエクソソームがあたらしい診断マーカーとして利用できることが期待され,研究が進められています

【エクソソームの観察とフォースカーブ測定】

がん細胞などの悪性な細胞から分泌されるエクソソームと,正常細胞からのエクソソームの基礎的な物性的な特徴を調べることはエクソソームの診断マーカーへの応用のために必要と考えられます。とくに,硬さなどの物性についての知見は少ないために重要と考えられます。

SPMフォースカーブについて
 探針(カンチレバー)と試料との距離を変えながら探針に働く力を測定し,グラフ表示することでフォースカーブが得られます。
とくに探針を試料に押し込んだときの変形量やフォースカーブの傾きから,試料の硬さの比較やその定量化が可能となります。

フォースカーブの概念図

フォースカーブの概念図

カンチレバーと試料の関係

カンチレバーと試料の関係

【エクソソームを観て計測する】

清浄なガラス上のエクソソームのLSM観察行い,さらにLSMで特定したエクソソームをSPM観察した結果を下図に示します。 
このようにSFT-3500ではLSMでSPM観察部位を決めることが可能です。
SPM像からこのエクソソームの形状評価を行ないました。断面プロファイルからの解析の結果からこのエクソソームの直径は 235nmです。

エクソソームの観察

エクソソームの観察

エクソソームの断面プロファイル解析

エクソソームの断面プロファイル解析

RNAを捉えたSPM画像です。

左図はエクソソームとエクソソームに内在していたと考えられるRNAを捉えたSPM画像です。

【エクソソームの硬さ】

エクソソームのフォースカーブ測定例を示します。このフォースカーブは,カンチレバーをエクソソームに10nm押込んだときのカンチレバーのたわみ量を示してます。この『押込み量』と『たわみ量』の差からエクソソームの変形量が得られます。  
 異なる2つのエクソソームのフォースカーブ測定から得られた変形量を示します。ここでは10nm押し込んだときと,25nm押し込んだときのそれぞれの変形量を示しています。
この結果からエクソソームAとエクソソームBを比較した場合,エクソソームAが柔らかいと考えられます。

異なる2つのエクソソームのフォースカーブ

異なる2つのエクソソームのフォースカーブ

エクソソームの変形量

  10nm押込み 25nm押込み
エクソソーム A 4.9nm 11.3nm
エクソソーム B 2.8nm 10.3nm

● サンプルのご提供:国立がん研究センター研究所 竹下文隆先生 落谷孝広先生


⇒走査型プローブ顕微鏡 SPM-9700によるエクソソーム観察例はこちら

⇒詳細な資料(アプリケーションニュース S06,PDF)のダウンロードはこちらから行えます(会員制サイト)。

※ ナノサーチ顕微鏡 SFT-3500は試験・研究用装置です。


課題解決事例トップページへ戻る

関連製品

SFT-4500

SFT-4500は,歴史と伝統を持つ光学顕微鏡と最先端の走査型レーザー顕微鏡(LSM),さらにナノオーダーの測定を可能にする走査型プローブ顕微鏡(SPM)を一台に集約。多様な試料に対応する,新時代の観察・測定装置です。
数十倍から百万倍の超ワイド領域において,ミリからナノまでの観察・測定をたった1台で実現します。光学顕微鏡,レーザー顕微鏡,プローブ顕微鏡の切り替えを自在に行い,一度探したターゲット(観察対象物)を見失うことなく,素早く正確にプローブ顕微鏡で観察ができ,画像取得までの時間を大幅に短縮。一体型ならではのシームレスな操作性を実現しました。

製品詳細ページへ

Top of This Page