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© Shimadzu Corporation, 2026
分析計測事業部
https://www.an.shimadzu.co.jp/
本資料は発行時の情報に基づいて作成されており、予告なく改訂することがあります。
本文中に記載されている会社名、製品名、サービスマークおよびロゴは、各社の商標および
登録商標です。
本文中では「TM」、「 」を明記していない場合があります。
初版発行:2026年 4月 01-01168-JP
まとめ
正極材の測定結果
MCTは、株式会社島津製作所またはその関係会社の日本およびその他の国における商標です。
試料点数100点の連続試験を行いました。本試験に用いた
正極材は破壊挙動を示したため、破壊強度を評価に用いま
した。解析機能により、破壊強度の中央値に近い70点にて
評価した結果、平均値は125.3MPa、標準偏差は15.1でした。
図4に試験力ー変位グラフを、図5に強度ー粒径グラフを示
します。
本報は、リチウムイオン電池の電極に使用されている材
料を対象に、MCT-ADによる力学的評価例を紹介しました。
従来は測定者の作業負荷が大きかった測定でしたが、MCT-
ADは測定粒子の抽出、自動測長、試験の自動運転を可能に
することで、作業の大幅な省力化と属人化の解消を実現し
ます。MCT-ADは電池材料に限らず微小な粒子形状を持つ
試料の圧縮試験に対応できるため、製品開発だけでなく品
質管理にも有用です。
<謝辞>
本アプリケーションの作成にあたり、株式会社KRI様には、
正極材試料をご提供いただきました。心より感謝申し上げます。
負極材の測定結果
試料点数100点の連続試験を行いました。本試験に用いた
負極材は明確な破壊挙動を示すことが少なかったため、粒
子径の10%変形時の試験力から算出される変形強度を評価
に用いました。また、試料が軟らかく表面の認識が困難
だったため、専用モード(軟質モード)を有効にして測定
しました。解析機能により、変形強度の中央値に近い50点
にて評価した結果、平均値は1.8MPa、標準偏差は0.5でした。
図8に試験力ー変位グラフと変形強度を算出する粒子径10%
変形付近の拡大図を示します。
試験後の試料画像も保存でき、解析時に確認することが
可能です(図6)。また、オプションのサイド観察キットを
用いて、試料横方向からの試験中の様子をリアルタイムで
観察しました(図7)。本キットを用いることで粒子が圧縮
される様子をリアルタイムで観察および動画として保存で
きます。
この試験を従来機で行った場合、測定者は実機操作に5時
間以上要していました。MCT-ADでは約20分の条件設定操
作のみ行えば、測定は自動運転にて行います。その結果、
測定者の作業時間は従来比で1/15以下に短縮され、省力化
を実現しました。
図4 正極材の試験力ー変位グラフ(N70)
図5 正極材の強度ー粒径グラフ(N70)
図6 試験後画像 図7 サイド観察キット画像
正極材
図8 負極材の試験力ー変位グラフ(N50)
拡大図
試料の分散
単粒子の強度試験を行うMCTシリーズでは、測定対象で
ある一粒の粒子のみが圧子の下に配置される必要がありま
す。そのため、試料を下部加圧板上に重ならないように分
散させます。今回は図9に示す試料分散治具(シリンジによ
る負圧方式)を使用して、簡便に下部加圧板上に試料を散
布しました。
図9 試料分散治具および正極材分散状況(広域画像2x2mm)
<参考文献>
1) MoonMin et al, “The correlation between particle hardness
and cycle performance of layered cathode materials for
lithium-ion batteries,” Journal of Power Sources, 486 (2021)
229359.
2) Omirkhan et al, “Investigating the effect of lithiation on
polycrystalline NMC811 Li-ion battery cathode cracking
using in situ SEM micromechanical testing,” Energy
Environ. Sci., 18 (2025) 9254