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ユーザーベネフィット Application News はじめに 2015年に世界保健機関(WHO)は1日あたりの糖類摂取 量を25 g未満に抑えるべきであるという指針を発表しまし た 1) 。また、日本の消費者庁の食品表示基準に規定されて いる基準値として、飲料中の糖類の含有量は100 mLあたり 0.5 g未満であれば、「ノンシュガー」や「糖類ゼロ」など と表示できます 2) 。 糖は紫外吸収をほとんど持たないため、糖分析において は示差屈折率(RI)検出器や蒸発光散乱検出器(ELSD)な どの選択性の乏しい検出器が多用されます。しかし、分析 対象がノンシュガー飲料のように低濃度の場合には、選択 性が高く高感度検出が可能な質量分析計が有効です。 ここでは、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC) とシングル四重極質量分析計LCMS-2050を用いてノンシュ ガー飲料中の糖類を分離定量した例をご紹介します。 シングル四重極質量分析計を用いた ノンシュガー飲料中の糖類の一斉分析 LCMS-2050は、示差屈折率検出器や蒸発光散乱検出器より高選択かつ高感度に糖類を検出できます。 マトリクスの影響を受けず、微量に含まれる糖類を一斉に定量できます。 岩田 奈津紀、川嶋 美帆 高速液体クロマトグラフ質量分析計 LCMS TM -2050 図1 混合標準溶液(各0.5 mg/L)のクロマトグラム 混合標準溶液の分析 対象成分は、単糖および二糖の9成分です。図1に9成分 混合標準溶液(各0.5 mg/L、75%アセトニトリル水溶液で 調製)のクロマトグラムを、表1と表2に分析条件を示しま す。グラジエント溶離法により、約22分で9成分を溶出で きました。 表1 HPLC分析条件 *1 P/N: 227-34001-01 再現性 表3に、各0.5 mg/Lの混合標準溶液について、6回繰り返 し分析における保持時間と面積の再現性(%RSD)を示します。 System : Nexera™ XR Column : Shodex HILICpak VG-50 2D (150 mm × 2.0 mm I.D., 5 µm) Flow rate : 0.2 mL/min Mobile phase : A) 2.5 mmol/L Ammonium bicarbonate aq. B) 25 mmol/L Ammonium bicarbonate aq. / Acetonitrile=10:90 Time Program : 99%B (0-11 min)→77%B (23-27 min) →99%B (27.1-38 min) Mixer : 180 µL Column temp. : 45 ℃ Injection volume : 1 µL Vial : SHIMADZU LabTotal™ for LC 1.5 mL, Glass *1 Ionization : ESI/APCI (DUIS™), Negative mode Mode : SIM (m/z 149, 163, 179, 341) Nebulizing gas flow : 3.0 L/min Drying gas flow : 5.0 L/min Heating gas flow : 7.0 L/min Desolvation temp. : 400 ℃ DL temp. : 150 ℃ Interface voltage : -2.0 kV 表2 MS分析条件 Compound Retention time Peak area Rhamnose 0.44 4.71 Arabinose 0.43 3.35 Xylose 0.49 3.42 Fructose 0.52 2.46 Galactose 0.53 2.60 Glucose 0.61 1.90 Sucrose 0.37 3.40 Lactose 0.16 2.09 Maltose 0.14 2.21 表3 6回繰り返し分析における再現性 (%RSD) (min) (min) (min) (min) 1 3 ■Peaks 1. Rhamnose, 2. Arabinose, 3. Xylose, 4. Fructose, 5. Galactose, 6. Glucose, 7. Sucrose, 8. Lactose, 9. Maltose 2 4 5 6 7 8 9 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 (x10,000) 163.00(-) 5.0 2.9 0.0 1.0 2.0 3.0 (x10,000) 149.00(-) 5.0 10.0 0.00 0.25 0.50 0.75 1.00 (x100,000) 179.00(-) 15.0 20.0 25.0 0.00 0.25 0.50 0.75 1.00 (x100,000) 341.00(-)
分析計測事業部 グローバルアプリケーション開発センター 島津コールセンター 0120-131691 本文中に記載されている会社名および製品名は、各社の商標および登録商標です。 本文中では「TM」、「」を明記していない場合があります。 本資料は発行時の情報に基づいて作成されており、予告なく改訂することがあります。 Application News 最新版は、島津製作所>分析計測機器の以下のサイトより閲覧できます。 https://www.an.shimadzu.co.jp/apl/index.htm 会員制情報サービス Shim-Solutions Club にご登録いただきますと、毎月の最新情報をメールでご案内します。 新規登録は、https://solutions.shimadzu.co.jp/ よりお願いします。 © Shimadzu Corporation, 2022 17.5 20.0 22.5 25.0 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 (x10,000) 341.00(-) 初版発行:2022年 2月 Nexera、LCMS、SHIMADZU LabTotalおよびDUISは、 株式会社 島津製作所の日本およびその他の国における商標です。 01-00330-JP ノンシュガー飲料の分析 市販の4種類の炭酸ガスを含むノンシュガー飲料を5分間 脱気後、0.2 µmのメンブランフィルターでろ過しました。 次いで、75%アセトニトリル水溶液で1000倍希釈したもの を試料としました。図3にノンシュガー飲料Aのクロマトグ ラムを、表5に定量結果を示します。いずれの飲料も糖類 の含有量は100 mL中0.5 g 未満でした。 図3 ノンシュガー飲料Aのクロマトグラム 図2 検量線 検量線 対象の9成分について検量線を作成したところ、いずれも 寄与率 r 2 =0.998以上と良好な直線性が得られました。図2に、 代表してラムノースとアラビノースの検量線を、表4に全成 分の検量線濃度範囲と寄与率を示します。 Compound m/z Conc. range (mg/L) r 2 Rhamnose 163 0.05-10 0.999 Arabinose 149 0.01-1 0.999 Xylose 149 0.01-1 0.999 Fructose 179 0.005-1 0.998 Galactose 179 0.01-1 0.998 Glucose 179 0.01-1 0.998 Sucrose 341 0.005-1 0.999 Lactose 341 0.01-1 0.999 Maltose 341 0.01-1 0.999 (mg/L) (mg/L) 表4 検量線濃度範囲と寄与率 (r 2 ) 表5 定量結果 0.0 5.0 濃度 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 面積(x1,000,000) 0.0 0.5 濃度 0.0 2.5 5.0 面積(x100,000) 添加回収試験 前処理後の試料溶液に0.5 mg/Lとなるように糖類の標準 溶液を添加した試料を測定しました。表6に各成分の添加回 収率を示します。全ての成分において、概ね90~110%以内 の良好な結果が得られ、マトリクス下においても正確に定 量できることが確認されました。 Compound Recovery rates (%) A B C D Rhamnose 107.4 105.8 102.0 99.1 Arabinose 101.3 99.7 102.6 112.1 Xylose 96.8 99.0 103.2 105.5 Fructose 100.0 99.2 100.7 107.8 Galactose 96.0 100.4 103.2 109.6 Glucose 90.7 89.9 94.3 105.0 Sucrose 104.8 103.4 103.6 104.4 Lactose 105.6 100.5 102.7 105.0 Maltose 104.3 105.3 103.4 108.1 表6 添加回収率 (%) Compound Concentration *2 (mg/L) A B C D Fructose n.d. n.d. n.d. 0.021 Glucose 0.228 0.225 0.100 0.017 Lactose 0.028 0.033 n.d. n.d. Maltose 0.031 0.028 n.d. n.d. Total 0.287 0.286 0.100 0.038 Content (g/ 100 mL) A B C D Total 0.029 0.029 0.010 0.004 Rhamnose Arabinose 7.5 10.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 (x10,000) 179.00(-) ■Peaks 6. Glucose, 8. Lactose, 9. Maltose 6 8 9 [参考文献] 1) Guideline: Sugars Intake for Adults and Children. Geneva: World Health Organization; 2015. 2) 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号) まとめ シングル四重極質量分析計LCMS-2050を用いることで微 量の糖類を分離定量することができました。LCMS-2050は、 ノンシュガー飲料市場をはじめとする食品分野の研究開発 に役立つことが期待されます。 (min) (min) *2 n.d.: not detected
アンケート 関連製品 一部の製品は新しいモデルにアップデートされている場合があります。 LCMS-2050 シングル四重極質量分析計 関連分野 食品・飲料 ライフサイエンス 価格お問い合わせ 製品お問い合わせ 技術お問い合わせ その他お問い合わせ Powered by TCPDF (www.tcpdf.org)