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ユーザーベネフィット Application News GC-MSとGC-SCDの同時分析による 硫黄成分のモニタリング 武守 佑典 GC-MS GCMS-QP 2020 NX 検出器分岐システムにより、一回の分析で複数の検出器に成分を送ることができ、複数のクロマトグラムが取得可能です。 本システムによりGC-MS(網羅的な分析)とGC-SCD(硫黄成分のみ分析)の同時分析が可能です。 はじめに 化石燃料には濃度が異なるものの、硫黄化合物が含まれ ており、最終製品の濃度管理を怠ると、環境汚染や、自動 車排ガス浄化装置の触媒性能の低下を引き起こします 1) 。 また、硫黄化合物は様々な触媒を劣化させる触媒毒となる 可能性のある物質です。このような背景の中、サンプル中 の硫黄化合物をモニタリングし、特定することが重要です。 本アプリケーションでは、LabSolutios GCMSと検出器分 岐システムの組み合わせにより、一回の分析でサンプルを MSとSCD(化学発光硫黄検出器)に同時に送り、硫黄成分 の含有確認、同定を短時間で行ことができました。 図1 LabSolutions GCMSと検出器分岐システム 本システムの性能確認 本システムの性能確認のため、5種類の硫黄成分をイソオ クタンに0.1 ppmになるように調整し、表1の条件で分析し ました。 表1 装置構成および性能確認の分析条件 LabSolutionsと検出器分岐システム GC-MSとGC-SCDの同時分析のため、LabSolutions GCMS と検出器分岐システムを使用しました。システムの概要を 図1に示します。 LabSolutions GCMSのDB版またはCS版はデータベース でデータ管理を行う、LC、GC、LCMS、GCMSの統合ソ フトウェアです。1つのソフトウェアでGCおよびGCMS の分析・解析を行うことができます。 検出器分岐システムは、分析カラムの下流で分岐し、複 数の検出器に分離成分を送り、一度に複数のクロマトグ ラムを得られます。検出器分岐専用素子には、低デッド ボリュームかつ不活性化処理されたサンプル吸着の少な い部品を採用しています。 Model : GCMS-QP2020 NX GC Injection Volume : 1 µL(AOC-30i使用) Injection : SPL Injection Temp. : 330 ℃ Injection Mode : スプリット Split Ratio : 1:15 Carrier Gas : He Carrier Gas Control : 線速度(45 cm/s) Column : SH-I-1MS (30 m × 0.32 mm I.D., 4.00 µm) *1 Column Temp. : 50 ℃ - 15 ℃/min – 330 ℃ (2 min) Detector : Nexis SCD-2030 Interface Temp. : 280 ℃ Electric Furnace Temp. : 850 ℃ Detector Gas : H2 80.0 mL/min、N2 40.0 mL/min O2 10.0 mL/min、O3 25.0 mL/min Detector splitting *2 system : SMI Flow Device 4-Port Splitter Resistance tube : 0.5 m× 0.15 mm I.D(※MS、SCD側とも) Detector branch ratio : SCD:MS = 1:1.03 AUX-APC : 20 kPa MS (EI法) Ion Source Temp. : 230 ℃ Interface Temp. : 300 ℃ Ionization Mode : EI Measurement Mode : Scan Event Time : 0.3秒 + → 網羅的な分析 成分の特定 →硫黄成分のみ検出 デジタルフローコントローラ 検出器分岐素子 Micro Channel 4-Port Splitter (221-88101) LabSolutions GCMS DB版またはCS版は GCMS/GCどちらの分析も可能 データーベース *1 P/N:227-36011-01 *2 Detector splitting パッケージ(素子+APC) SMI FLOW DEVICE 2-Way Splitter with APC:221-88100-41
Application News 本システムの性能確認結果 各硫黄濃度0.1 ppmのサンプルを本システムで分析した GC-SCDのクロマトグラムを図2に示しました。0.1 ppmと 低濃度でも分析可能なことが確認できました。特に、吸着 性の高いアミン類である、2,2'-Dithiodipyridineも良好に分 析ができました。 本システムによる軽油サンプルの分析 実サンプルとして軽油硫黄分標準物質:Sulfur Content 300 mass ppm level(石油学会、P/N:S0711)を表2の条件 で分析しました。 表2 装置構成および軽油サンプルの分析条件 Model : GCMS-QP2020 NX GC Injection Volume : 1 µL(AOC-30i使用) Injection : SPL Injection Temp. : 330 ℃ Injection Mode : スプリット Split Ratio : 1:50 Carrier Gas : He Carrier Gas Control : 線速度(35 cm/s) Column : SH-Rxi 1MS (30 m × 0.32 mm I.D., 4.00 µm) Column Temp. : 120 ℃ - 15 ℃/min – 330 ℃(10 min) Detector : Nexis SCD-2030 Interface Temp. : 280 ℃ Electric Furnace Temp. : 850 ℃ Detector Gas : H2 80.0 mL/min、N2 40.0 mL/min O2 10.0 mL/min、O3 25.0 mL/min Detector splitting system : Micro Channel 4-Port Splitter Resistance tube : 0.5 m× 0.15 mm I.D (※MS、SCD側とも) Detector branch ratio : SCD:MS = 1:1.03 AUX-APC : 20 kPa MS (EI法) Ion Source Temp. : 230 ℃ Interface Temp. : 300 ℃ Ionization Mode : EI Measurement Mode : Scan Event Time : 0.3秒 本システム GCMS-QP 2020NX + Nexis SCD-2030 + AOC-30i 図2 各硫黄濃度0.1 ppmのサンプル分析時のGC-SCDのクロマトグラム 0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 min 1-Propanethiol Thiophene Benzothiophene Dibenzothiophene 2,2'-Dithiodipyridine GC-SCD *これらの成分よりも遅く溶出する高沸点成分はカラム直結時 と比べて回収率が低下することがあります。
Application News 軽油サンプルの分析結果 軽油サンプルを本システムで分析した場合の、GC-MSの トータルイオンクロマトグラム(TIC)を図3、GC-SCDのク ロマトグラムを図4、5に示しました。TICとGC-SCDのクロ マトグラムは同時に取得しています。TICからは主成分であ る炭素数等の多くのピークが検出されています。 一方、GC-SCDのクロマトグラムから、TICでは他の化合 物と重なり見逃されていた硫黄成分のみを検出できている ことが分かります。軽油サンプル中の硫黄成分は、Rt:6.7 分の付近に比較的高濃度の硫黄成分と、その他複数の硫黄 成分の存在を確認しました。 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5 min GC-MS 図3 軽油硫黄分標準物質を同時分析時のGCMSのトータルイオンクロマトグラム 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5 min GC-SCD 図4 軽油硫黄分標準物質を同時分析時のGC-SCDのクロマトグラム(全体) 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5 min GC-SCD 図5 軽油硫黄分標準物質を同時分析時のGC-SCDのクロマトグラム(拡大)
Application News © Shimadzu Corporation, 2021 分析計測事業部 https://www.an.shimadzu.co.jp/ 本資料は発行時の情報に基づいて作成されており、予告なく改訂することがあります。 本文中に記載されている会社名、製品名、サービスマークおよびロゴは、各社の商標および登録商標 です。 本文中では「TM」、「 」を明記していない場合があります。 初版発行:2021年 7月 B改訂版発行:2023年 3月 C改訂版発行:2026年 1月 図6 GC-SCDで硫黄成分が検出され溶出時間付近のGCMSの(a)トータルイオンクロマトグラムと(b)ライブラリ検索結果 <参考文献> 1) 北牧祐子:硫黄標準に関する調査 研究産総研計量標準報告 Vol. 4、 No. 3(2006) まとめ LabSolutions GCMSと検出器分岐システムの組み合わせに より、一回の分析でサンプルをMSとSCDに同時に送り、分 析を行いました。GCMSとGC-SCDの同時分析により、 GCMSのみの分析では他の成分と重なり、見逃していた硫 黄化合物を同定することができました。 LabSolutions、GCMS-QP、およびNexisは、株式会社 島津製作所またはその関係会社の日本およびその他の国における商標です。 01-00206C-JP 硫黄成分の特定 同硫黄成分の同定のため、GC-SCDで検出された硫黄成分 付近(Rt:6.7分付近)に注目しました。GC-MSのTIC中にお いて、その時間あたりをライブラリ検索すると、Di-tert- butyl disulfideと同定することができました(図6)。この ように、GC-SCDとGCMSの同時分析より、見逃されていた 硫黄化合物を検出、同定することができました。 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 min 122.0000 (100.00) 178.0000 (100.00) Di-tert-butyl disulfide TIC (a) トータルイオンクロマトグラム (b) ライブラリ検索結果
アンケート 関連製品 一部の製品は新しいモデルにアップデートされている場合があります。 LabSolutions™ GCMS™ GCMS用データシステム Nexis™ GC-2030 ガスクロマトグラフ GCMS-QP™2020 NX ガスクロマトグラフ質量分析計 Nexis™ SCD-2030 化学発光硫黄検出ガスクロマトグラフシ ステム SH-I-1MS 関連分野 石油化学 石油・石油系化学物 質 自動車 食品・飲料 価格お問い合わせ 製品お問い合わせ 技術お問い合わせ その他お問い合わせ Powered by TCPDF (www.tcpdf.org)