FF-2020

におい識別装置

食品分野における運用例

におい識別装置の運用例を,測定データの解説を交えながらご紹介します。得られた結果から何がわかるのか?
解説をお読みいただくと,においの変化が何を意味しているのかがわかります。

1. 製品開発
1-1) 銘柄の異なる市販かつおだしのにおい比較(絶対値表現解析 スタンダードモード)
1-2) 等級の異なるお茶のにおい比較(主成分分析)
1-3) 産地の異なるお茶のにおい比較(絶対値表現解析 ユーザーモード)

2. 発酵・熟成工程の評価
2-1) ヨーグルト発酵の評価(絶対値表現解析 ユーザーモード)

3. 劣化評価(食品風味変化の定量化など)
3-1) 牛乳の劣化(絶対値表現解析 ユーザーモード)

1.製品開発

製品開発における香りの位置づけや,製品の香りの特徴づけに利用できます。

1-1) 銘柄の異なる市販かつおだしのにおい比較(絶対値表現解析 スタンダードモード)

銘柄の異なる市販かつおだしのにおいの質や強さの違いを比較評価した例です。

4種類のかつおだしを水に懸濁したものをサンプルとしました。
測定データの解析には,絶対値表現解析スタンダードモードを用いました。においの質(類似度)をレーダーチャートとして表示し,においの強さの予測値として臭気指数相当値の解析値を折れ線グラフとして表示しました。
レーダーチャートの結果から,においの質についてはA,CとB,Dで傾向が異なることがわかります。また,AとC,BとDでにおいの強さも大きく異なることがわかります。

1-2) 等級の異なるお茶のにおい比較(主成分分析)

グレードの異なる日本茶のにおいを比較評価した例です。

玉露や煎茶の水抽出液をサンプルとしました。
このグラフは,その測定データの解析には主成分分析を用い,解析結果を座標上にプロットしたグラフに,別途同じサンプルについて行った官能評価の結果のうち主成分分析の軸との相関のある評価項目を,その軸に表示したものです。
今回は,PC1とにおいの強さの相関が,PC2と甘さやこげ臭との相関が高かったため,その軸の表現として使用し,日本茶のにおいマップ的な資料を作製しました。
このように,主成分分析の結果を座標にプロットした後,他の評価方法の結果を合わせることによって,より具体的な意味を持つにおいマップを作成することができます。
なお,ソフトウェアは市販のものをご利用ください。

1-3) 産地の異なるお茶のにおい比較(絶対値表現解析 ユーザーモード)

産地の異なる日本茶の類似性や独自性の評価を行った例です。

各産地の日本茶を基準ガスとして設定し,絶対値表現解析のユーザーモードを用いて解析しました。ユーザーモードを使用すると,サンプル間の類似関係や独自性が分かりやすく表現されます。
この結果からは,産地B,産地C,産地Dのお茶はお互いに類似性が高く,産地A,産地Eのお茶は独自性が強く独特であるということが考察されます。
また,未知のお茶の測定データを解析することにより,どの産地のお茶との類似が高いかがわかり,産地が推定できる可能性もあります。


食品分野では,においが商品価値に大きな影響を与えますので,製品開発や企画段階において,メーカーやブランドの違いによるにおいの違いや自社製品の位置付け,ユーザーの嗜好を把握しておくことが重要です。
FF-2020は,様々な表現方法により,においを客観的に表現できますので,このような製品のにおいの違いや位置付けに利用できます。

 

2.発酵・熟成工程の評価

発酵や熟成工程におけるにおいの経時変化をとらえることができます。

2-1) ヨーグルト発酵の評価(絶対値表現解析 ユーザーモード)

ヨーグルト発酵の発酵過程の生成物からの臭気をモニタリングした例です。

サンプルは,牛乳に種菌ヨーグルトを加えたもので,特製の発酵・サンプリング用容器中に入れ,撹拌し発酵を行いました。 10分間隔で容器中のにおいガスのサンプリングを行い,牛乳サンプルが発酵していく過程の評価として,ユーザーモードを用いて牛乳およびヨーグルトのにおいガスとの類似性の経時変化の解析を行った結果を示します。 生成物とヨーグルトとの類似性は発酵開始4時間後が最大となるがそれ以降は低下しており,過発酵が起こっているのではと考察されます。

発酵や熟成を伴う食品では,その過程のモニタリングは,発酵・熟成条件や方法の開発,また製造工程管理の上で,非常に有効であります。 FF-2020は,内蔵ポンプにより一定の時間間隔で,においを連続測定することができるので,発酵・熟成過程のにおいの変化を定期的に数値でモニタリングすることが可能です。 また,原料と発酵・熟成完了後のサンプルを基準としてその過程の生成物のにおいを比較することにより,発酵・熟成の進捗評価も可能ですので,発酵・熟成の条件検討などへの応用も考えられます。

3.劣化評価(食品風味変化の定量化など)

においの変化により,食品の劣化の程度を評価できます。

3-1) 牛乳の劣化(絶対値表現解析 ユーザーモード)

 

新鮮な紙パック牛乳に対する,30℃の環境下で,開封または未開封状態で保存した紙パック牛乳の,においの強さや質の変化を評価した例です。

開封状態の牛乳パックは,未開封状態の牛乳パックに比べ,放置時間の経過とともに,においの強さの低下や質の変化が大きくなることが分かります。

食品や飲料の劣化は,ユーザーからのクレームの原因であり,品質管理,賞味・消費期限の決定における重要な要因であるため,その定量的な評価は,食品・飲料業界では,重要で関心の高い評価項目となっています。 FF-2020では,新鮮な食品や飲料品に対して,劣化した食品や飲料品のにおいの強さや質の変化を数値化できますので,劣化の程度を定量的に評価することも可能です。

Top of This Page