食品分野品質管理やクレーム評価における運用例

 異物が混入した際の原因推定を行います。また,においの変化によって合否を判定し,製品の品質管理に応用することもできます。

3.品質管理やクレーム評価

3-1) 野菜ジュース混入フルーツジュース(偏位臭マップ*
3-2) ウーロン茶混入緑茶(品質管理ソフトウェア:特注)

3-1) 野菜ジュース混入フルーツジュース(偏位臭マップ*)

 市販野菜ジュースのブレンドの違いによるにおいの比較評価を行った例です。

 市販の野菜ジュースの中から,比較的香りの少ないものをサンプル臭に設定して中心サンプルとしました。フルーツ臭の強いものを偏位臭1としてフルーツ軸に,野菜臭の強いものを偏位臭2として野菜軸に設定して解析しました。
 測定したデータをマップとしてまとめると,サンプル毎にフルーツ系によっているのか,野菜系によっているのかが,分かりやすくなりました。中心サンプルにフルーツ系ジュースを少し混入させたものは,フルーツ系の軸の上に位置しており,混入したにおいがフルーツの香りであることが分かります。
 このように,サンプルに何かが混入したときの原因究明にも役立てることができます。混入した可能性のあるものが幾つかに限られる場合などは,混合臭であっても混入した可能性の一番高いものが推定できます。

3-2) ウーロン茶混入緑茶の判別(品質管理ソフトウェア:特注)

品質管理として,ソフトウェアを用いてウーロン茶が混入した緑茶サンプルの合否判定を行った例です。絶対値表現解析の原理を用いて,基準品との差をにおいの強度と質に分けて表示し,合否判定を行います。

 まず,標準品のにおいガスを予め測定しベクトル化しておきます。評価するサンプルのにおいガスの測定データのベクトルと比較し,ベクトルの長さの比からにおいの強度方向のずれ幅を数値化し,両ベクトルの離れた距離からにおいの質のずれ幅を数値化します。これを,縦軸ににおいの強さの違いを,横軸にはにおいの質の違いを表示し,合格領域(図の緑色の境界線の内側)と不合格領域(図の赤色境界線の外側)にわけて表示します。
 このソフトウェアとオートインジェクタAOC-5000を組み合わせることによって,サンプル測定ごとに自動的に逐次,合否を判定していくというシステムの実現が可能です。

食品や飲料の分野では,その原材料の変動や変質,また製造過程における異物の混入などによって,異臭がする,従来の製品とにおいが異なるなどのクレームが発生することがあります。 そのため,製品のにおいの面での品質管理も重要となっています。 FF-2020では,標準品とのにおいの違いを強さと質に分けて数値化し,その数値をもとに合否判定を行うことが可能であり,特注で品質管理ソフトウェアの納入実績もあります。


* 「偏位臭マップ法」は,Sシステムでのみ利用できます。

Top of This Page