食品分野製品開発における運用例

 製品開発における香りの位置づけや,製品の香りの特徴づけに利用できます。

1. 製品開発

1-1) パン(偏位臭マップ*
1-2) 市販かつおだしのにおい比較(絶対値表現解析 スタンダードモード)
1-3)
等級の異なるお茶(主成分分析)
1-4) 産地の異なるお茶(絶対値表現解析 ユーザーモード)

1-1) パン(偏位臭マップ*

パンの種類によるにおいの比較評価を行った例です。パンのクラム部(内側の柔らかい部分)の測定データです。

典型的な食パンを中心サンプルとし,酒種パンを偏位臭1,フランスパン(通常)を偏位臭2に設定して解析しました。 フランスパン(サワー系)が中心を横切り,イギリスパンがその近くに,食パン系は酒種パンとイギリスパンの間に位置しました。

1-2) 銘柄の異なる市販かつおだしのにおい比較(絶対値表現解析 スタンダードモード)

銘柄の異なる市販かつおだしのにおいの質や強さの違いを比較評価した例です。

 4種類のかつおだしを水に懸濁したものをサンプルとしました。
 測定データの解析には,絶対値表現解析スタンダードモードを用いました。においの質(類似度)をレーダーチャートとして表示し,においの強さの予測値として臭気指数相当値の解析値を折れ線グラフとして表示しました。
 レーダーチャートの結果から,においの質についてはA,CとB,Dで傾向が異なることが分かります。また,AとC,BとDでにおいの強さも大きく異なることが分かります。

1-3) 等級の異なるお茶のにおい比較(主成分分析)

グレードの異なる日本茶のにおいを比較評価した例です。

玉露や煎茶の水抽出液をサンプルとしました。
 このグラフは,その測定データの解析には主成分分析を用い,解析結果を座標上にプロットしたグラフに,別途同じサンプルについて行った官能評価の結果のうち主成分分析の軸との相関のある評価項目を,その軸に表示したものです。
 今回は,PC1とにおいの強さの相関が,PC2と甘さやこげ臭との相関が高かったため,その軸の表現として使用し,日本茶のにおいマップ的な資料を作製しました。
 このように,主成分分析の結果を座標にプロットした後,他の評価方法の結果を合わせることによって,より具体的な意味を持つにおいマップを作成することができます。

1-4) 産地の異なるお茶のにおい比較(絶対値表現解析 ユーザーモード)

産地の異なる日本茶の類似性や独自性の評価を行った例です。

 各産地の日本茶を基準ガスとして設定し,絶対値表現解析のユーザーモードを用いて解析しました。ユーザーモードを使用すると,サンプル間の類似関係や独自性が分かりやすく表現されます。
 この結果からは,産地B,産地C,産地Dのお茶はお互いに類似性が高く,産地A,産地Eのお茶は独自性が強く独特であるということが考察されます。
 また,未知のお茶の測定データを解析することにより,どの産地のお茶との類似が高いかが分かり,産地が推定できる可能性もあります。


食品分野では,においが商品価値に大きな影響を与えますので,製品開発や企画段階において,メーカーやブランドの違いによるにおいの違いや自社製品の位置付け,ユーザーの嗜好を把握しておくことが重要です。
FF-2020は,様々な表現方法により,においを客観的に表現できますので,このような製品のにおいの違いや位置付けに利用できます。



*「偏位臭マップ法」は,Sシステムでのみ利用できます。

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