IG-1000 Plusによるリポソームの測定

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6.IG-1000 Plusによるリポソームの測定

人間の体内に直接投入する医薬品の場合、粒子径(粒子径分布)は極めて重要であり、血管に投入した医薬品の粒子が、毛細血管や血管内壁を通過・透過して体内のどの部位まで到達するかを決定づけています。
したがって、粒子径は、医薬品の効能および副作用に大きな影響を与える場合があります。

Fig.1 血管内における医薬品通過のイメージ

Fig.1 血管内における医薬品通過のイメージ

例えば、12μm以上の粒子を動脈内に投与すると抹消部分に詰まり薬効成分を放出するので、肝臓・腎臓がんの治療に用いられます。また、12μm以上の粒子を静脈内に投与すると大部分が肺の毛細血管床に捕らえられます。0.1~3μmの粒子は、動脈や静脈に投与すると、肺を通過して、肝臓や脾臓に到達します。さらに細胞レベルでの効果を考えるとき、ナノレベルでの検討が必要になってきます。

医薬品分野において新薬(薬効成分)の開発が重要であることは言うまでもありませんが、患者に対し、いかに投与するかも重要な課題です。つまり、副作用が少なく、しかし、患部においては大きい効果を発揮するように薬物を投与するということです。必要な時に必要なだけ、必要な場所にのみ集中的に薬物を届けるための技術として、ドラッグデリバリーシステム(=DDS:Drug Delivery System 薬物輸送システム)があります。このDDSの場合は、前述した通常の医薬品以上に粒子径(粒子径分布)のコントロールが極めて重要であり、その前提としてナノ粒子領域での正確な粒子径分布の測定が必要になります。
DDSの開発において、薬効成分を運ぶためのカプセルとしてリポソームを利用することが考えられています。リポソームは、生体膜を構成する成分であるリン酸脂質から形成される脂質二重膜からなる小胞です。小胞の内部に、水溶性薬物、脂溶性薬物、高分子等といった幅広い薬剤を封入することができます。また、大きさ(=粒子径)を制御することで、体内の特定の部位にのみ吸収されるようにすることも可能です。
ここでは、リポソームをシングルナノ粒子径測定装置IG-1000 Plusで測定した結果をご紹介します。

Fig.2 IG-1000 Plusによるリポソームの粒子径分布測定

Fig.2 IG-1000 Plusによるリポソームの粒子径分布測定

Fig.2は、純水に分散させた市販のリポソームをIG-1000 Plusで測定した粒子径分布測定結果です。(分布の表示は体積基準分布)
測定の結果、平均粒子径は約160nmとなりました。またこのリポソームは60nm~400nmにわたる広い粒子径範囲に分布していることが推定されました。
従来技術であるDLS(動的光散乱法)はこのような広い分布を持つサンプルの測定は難しく、トライ&エラーをされることも多いと聞きますが、IG-1000 Plusを用いると含まれている小さな粒子の割合も評価することが可能になります。
また、レーザ回折・散乱法を測定原理とするナノ粒子径分布測定装置SALD-7100でリポソームの凝集状態の変化を評価した以下のアプリケーションニュースもございますので、合わせてご覧ください。
>>SALD-7100によるリポソームの測定

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※外観および仕様は改良のため、予告なく変更することがあります。


特長測定データ:アプリケーション:仕様

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