SALD-HCシリーズ
SALDシリーズ用高濃度サンプル測定システム
特長
1.レーザ回折・散乱法を応用した高濃度測定を実現
- 従来、レーザ回折・散乱法では測定できなかったような濃度の高いサンプルの粒子径分布測定が可能です。
- 希釈することで粒子径分布が変化してしまうようなサンプルでも、原液のまま、あるいは必要最低限の希釈で測定が可能なため、より正確な測定が期待できます。
- 市販のハンドクリームや乳液、リンスなどは、ほとんどそのままの状態で測定できます。
2.複雑なパラメータ設定の必要がありません
- 超音波を用いる方法とは異なり、キャリブレーションの必要がありません。
- 測定対象の特性に関する複雑なパラメータを設定する必要もありません。
- 設定する必要があるのは、屈折率だけです。
3.少量のサンプルで測定が可能
- 少量のサンプルで測定することができます。
- 貴重なサンプルを無駄に消費しなくてすみます。
測定データ例

W/Oエマルジョンの粒度分布

保存状態の異なる2種類の缶コーヒーの粒度分布
注意
- 高濃度サンプル測定システムの測定範囲は標準の湿式測定(フローセルまたは回分セル使用時)よりも制限されます。つまり測定範囲はせまくなります。
- 測定可能濃度は、20wt%程度が上限の目安となりますが、試料物質や粒子径、粒度分布によっては、10wt%程度でも測定が困難な場合があります。
- 分布幅の広いサンプルは、分布幅の狭いサンプルに比べて多重散乱の影響を受け易く、正確に測定できない場合があります。
※外観および仕様は改良のため、予告なく変更することがあります。
特長:測定原理:システム構成/付属品
4.レーザ回折・散乱法による高濃度測定の原理
- 測定原理は粒子径分布測定手法の主流となっているレーザ回折・散乱法です。
- 基本的な考え方は、通常のフローセルおよび回分セルを用いる場合の測定と全く同じです。
- 薄いガラス板(スライドグラス)にサンプルを挟み込み、これにレーザ光を照射して測定を行います。
●測定原理図

高濃度でサンプルを測定する場合、通常の回分セルやフローセルを用いると光路長が長くなり多重散乱が発生して正確な測定ができません。
そこで2枚のガラス板(スライドグラス)でサンプロを挟み込み、徹底的に光路長を短くすることによって、多重散乱の悪影響が回避でき、正確な測定を可能にしました。
●光路長を短くして多重散乱を回避
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通常の回分セルおよび フローセルを用いた場合 |
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2枚のガラス板で サンプルを挟んだ場合 |
●側方散乱光の検出 | |
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また、光軸に対して斜めにサンプルを配置することにより、側方散乱光の検出も可能になりました。
これを、前方および後方の散乱光とともに粒度分布計算に用いることにより、サブミクロン領域での高濃度サンプル測定が可能となったのです。(SALD-300V、SALD-200V ER の場合は、側方・後方センサはありません。)