粉博士のやさしい粉講座:実践コース

 

粉博士のやさしい粉講座
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実践コース:測り方疑問解決編
レーザ回折式粒度分布測定装置
12 高濃度サンプルの測定
粉博士イラスト レーザ回折・散乱法を測定原理とする湿式の粒度分布測定、すなわちレーザ回折式粒度分布測定装置を用いた湿式測定において、適正なサンプル濃度は100ppm前後といわれており、クリームやペイント、ペーストなど高濃度の粒子群を含む測定対象は、通常、粒度分布を測定するために希釈を余儀なくされています。
 
ところが、このような高濃度の測定対象は、希釈することによる粒度分布の変化が懸念され、希釈することなく高濃度の状態での粒度分布測定に対する根強い要求が存在します。これは、医薬品、化粧品、化学薬品、食品、塗料、顔料などの幅広い分野におよんでいます。
 
レーザ回折・散乱法による測定では、粒子に平行なレーザビームを照射し、粒子から発せられる回折・散乱光の空間的な光強度分布パターンを用いて粒子径を特定しています。これは、光強度分布パターンが粒子径に依存して1対1の関係の関係で変化する性質を利用しています。この前提として、粒子から発せられた回折・散乱光は、他の粒子に入射することなくセンサで検出されなければなりません。この前提を満たすためには、多くの場合、測定対象を希釈して粒子群の濃度を低く抑えなければなりません。
 
もしも、通常のフローセルや回分セルを用いて、粒子群の濃度が高いサンプルを測定すると、図1に示すように光路長さが長いので、いったん粒子から発せられた回折・散乱光が他の粒子に再び入射し、そこから新たな回折・散乱光が発せられ、さらにこの現象を繰り返すことになります。これが多重散乱と呼ばれる現象です。多重散乱が生じると、ほとんど粒子に入射するレーザ光が平行ビームではなくなり、粒子径と光強度分布パターンとの1対1の関係が成り立たなくなり、正確に粒子径を特定することができなくなります。この多重散乱が、レーザ回折・散乱法を用いて高濃度サンプルを測定できない最大の理由とされてきました。
  通常の方法で高濃度サンプルを測定した場合  
  図1.通常の方法で高濃度サンプルを測定した場合  
  ところが、図2に示すように、高濃度の粒子群を含む測定対象を2枚のガラス板(スライドグラス)の間にはさみこむことによって光路長を極限まで短縮すると、多重散乱の悪影響を十分に回避することができるようになります。これがレーザ回折・散乱法による高濃度サンプル測定の基本的な考え方です。
 
条件がそろえば,10%から20%というかなり高濃度のサンプルについても原液のままで測定できることがありますが、希釈による影響が出ない程度に原液の希釈が必要な場合もあります。
 
また、粒度分布の分布幅については、分布幅の広いサンプルよりも、分布幅の比較的狭いサンプルのほうが高濃度の測定には適しています。
粉博士イラスト
  2枚のガラス板で高濃度サンプルを挟み込んだ場合  
  図2.2枚のガラス板で高濃度サンプルを挟み込んだ場合  
PDF SALD-7000高濃度測定システムによる粒度分布測定
PDF SALD高濃度サンプル測定システムによるW/Oエマルジョンの粒度分布測定
高濃度サンプル測定システムについて >>
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