LCMS-9030

高速液体クロマトグラフ質量分析計

精密質量測定の日常化を可能にするテクノロジー

  高精度温度コントロールシステム(特許出願中)

HRAM: High Resolution Accurate Mass Spectrometer(高分解能精密質量分析装置)として最も重要な役割を担っているのは「高精度温度コントロールシステム」です。
設置環境や装置内温度変化のような外的要因による精密質量変化を抑制するためTOF 部にはヒーター,温度センサーを適切に配置し,精密な温度コントロールを実現しています。ヒーターと温度センサの位置関係を最適化し堅牢性の高い温度コントロールシステムを開発しました。また,TOF部の電源系も温度コントロールしており長時間の高い質量精度安定性を実現しています。

  安定した同位体比

観測されたm/zから分子組成式を推定するには,モノアイソトピックイオンの精密質量に加えて,同位体比,同位体の精密質量差が候補を絞り込む上で重要なファクターとなります。下図はオキサジアジン骨格を有する殺虫剤 インドキサカルブMP の同位体パターンを示しています。同位体イオン比の標準偏差は0.20で非常に安定した同位体比が得られています。また,各同位体イオンの質量誤差は1 ppm 未満で優れた質量精度を示しています。

同位体 同位体分布
(実測値%)
同位体分布
(理論値%)
測定 m/z 理論値 m/z 誤差
(ppm)
A 100.00 100.00 528.0782 528.0780 0.38
A+1 24.99 25.36 529.0813 529.0811 0.38
A+2 36.38 36.49 530.0760 530.0761 -0.19
A+3 8.60 8.71 531.0789 531.0787 0.38
A+4 1.69 1.51 532.0812 532.0810 0.38

インドキサカルブ MP(m/z 528.0780)の同位体比質量精度


インドキサカルブMP(m/z 528.0780)の同位体パターン

  室温変化に対しても安定した質量精度

下図のデータは,分子量が100から1700 Daの各種抗生物質の標準品を24時間連続分析して,理論値からのマスずれ(△m/m [ppm])をプロットしたものです。
実験室の温度変動を模して,分析は室温が6℃変動する環境下で行いました。データを質量補正することなく,全てのサンプルの精密質量が理論値から±3 ppm以内におさまりました。温度の変動が見られる分析条件下でも,広い分子量範囲で長時間にわたって安定した質量精度が得られます。

Top of This Page