LCMS-8040

超高速トリプル四重極型LC/MS/MSシステム

イオン光学系の改良による感度向上

イオン光学系の改良による感度向上

UF-Lens™ は,高感度とメンテナンス性を両立させたレンズシステムです。2つのマルチポールRFイオンガイドを統合したシステムとしてイオン光学系を設計することにより,高い感度を実現しました。ツールフリーで取り外すことができ,クリーニングも簡単です。

UF-Lens™

八重極イオンガイドを四重極イオンガイドに変更

LCMS-8030で用いていた八重極イオンガイドを四重極イオンガイドに変更,さらにイオンガイド間で生じていたイオンロスを最小限にしています。

感度上昇比

右図は,オートチューニングに用いる標準サンプル(PEG,PPGおよびRaffinoseの混合物)を用いて,Q1スキャンを行ったLCMS-8040とLCMS-8030の比較結果です。プロットしたイオンは,ESI+でのオートチューニング時に使用するすべてのターゲットイオンです(m/z 65.05,168.10,256.15,344.20,652.40,1004.60,1224.75)。広い分子量範囲で,2~5倍弱の感度上昇が確認できました。

コリジョンセル改良によるCID効率の向上

UFsweeper®II

UFsweeper®II

UFsweeper™IIは,UFsweeper™コリジョンセルのイオンの収束性を向上させた高感度高速コリジョンセルです。クロストークの最小化を実現するイオンの高速搬送技術と,イオンの収束性を進化させました。高速分析や,多成分の同時分析においても信号強度の低下やクロストークの発生を防ぎ,ハイスループット分析を実現します。

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LCMS-8040では,LCMS-8030の最高の高速性能をそのままに感度の向上を実現しています。下図は,農薬167成分のMRM正負イオン同時測定データです。LCMS-8030,LCMS-8040ともに正負イオンを同時に検出しているにも関わらず167成分のピークがしっかり捉えられており,さらにLCMS-8040では全成分において平均3倍の感度向上が見られました。

農薬167成分のMRM正負イオン同時測定データ

汎用機を超えた高感度,高速性

Q1フルスキャンスペクトルでの比較

LCMS-2020発表時に開発され,LCMS-8030に引き継がれた高速スキャン(UFscanningTM)および極性反転技術(UFswitchingTM)をそのまま継承しています。
LCMS-8040は島津独自の高速技術(UF Technologies)をそのまま継承しただけでなく,イオン光学系の改良により,フルスキャンでの感度向上を実現しました。以下は農薬サンプル(Methomyl,Carbaryl(NAC),Phoxim,Benfuracarb,Abamectin B1a)を用いたQ1フルスキャンスペクトルでの比較です。上段のスペクトルがLCMS-8040で採取したもので,下段がLCMS-8030で採取したものです。スキャンスピードを速くしても感度ロスが少ないという独自技術(特許出願中)を継承しただけでなく,2~5倍の感度向上を実現しました。

フルスキャンスペクトルでの比較

トリプル四重極型質量分析計に特有なスキャンモードでの感度向上

スキャンスピードのアップにともなう質量誤差

スキャン測定での感度向上は,トリプル四重極型質量分析計に特有なスキャンモードであるプロダクトイオンスキャン,プリカーサイオンスキャンおよびニュートラルロススキャンでも同様です。一般にプリカーサイオンスキャンやニュートラルスキャンのようなリンクドスキャンでは,フルスキャンで規定されている最高スキャンスピードで測定を行うとマスずれが起こってしまいます。

フタル酸ジエステル8種混合標準品のプリカーサイオンスキャン

島津独自のUFscanning技術であれば,プリカーサイオンスキャンやニュートラルロススキャンを高速で行っても,マスずれの問題がありません。さらにLCMS-8040では感度向上が期待できます。左はフタル酸ジエステル8種を用いたプリカーサイオンスキャンの結果です。スキャンスピードは2727 u/sec,6000 u/secの2種類です。LCMS-8030,LCMS-8040ともに各スキャンスピードでマスずれがないのは当然ですが,LCMS-8040では,LCMS-8030に比べ2倍程度の感度向上が見られました。

卓越した耐久性

VerapamilとWarfarinを添加した血漿サンプルを下に記載した前処理フローで除タンパクを行い,LCMS-8040で450回連続分析を行い,それぞれの面積値をプロットしました。VerapamilはESI+,WarfarinはESIで同時分析を行いました。1回目,250回目,450回目のクロマトグラムを下記に示します。1 pgオンカラムでVerapamilで4.18 %,Warfarinで6.61 %の面積値再現性を得ることができました。

低フェムトグラム域での検出下限例

低フェムトグラム域での検出下限例

上記連続分析に用いたクロマトグラフィー条件を用い,プローブ位置などのイオン化パラメータを最適化した後に,VerapamilおよびWarfarinを40 fg/μLとなるように添加した血漿サンプルを2.5 μL,LCMS-8040に注入し,100 fgオンカラムでのS/N比を求めました。100 fgオンカラムで,Verapamilは146(rms),Warfarinは30(rms)のS/N比を得ることができました。

S/N = 3(rms)での検出限界を求めたところ,Verapamilは2.05 fg,Warfarinは9.88 fgとなりました。

操作性の継承

インターフェースの継承

LCMS-8030とまったく同じインターフェースを採用しました。
MRM感度を最適化する際,脱溶媒を促進するために必要な温度やガス流量だけでなく,ESIプローブのニードル突き出し具合やESIプローブ位置の調整が重要です。LCMS-8030同様,LCMS-8040では,温度やガス流量をソフトウェアから制御できるだけでなく,プローブ位置の調整も調整ノブを用いることで可能となりました。テーパー形状の一体型ESIキャピラリを採用することにより,サンプルの詰まりもなくなり,ニードル突き出し具合の調整も特別な工具を一切必要としません。右下図は感度仕様(LCMS-8040 : S/N > 1000,LCMS-8030 : S/N > 200)条件でのS/Nテスト結果です。
プローブ位置を4段階(-1から+2)変更して測定を行い,すべての位置で感度仕様を満たしています。

低フェムトグラム域での検出下限例

メソッドの継承

LCMS-8030で最適化したMRM条件をそのまま利用できます。
MRM(Multiple Reaction Monitoring)測定の第一段階はMRM条件最適化ですが,化合物が多くなればなるほど,MRM最適化をやり直す必要が出た場合の労力は大変なものになります。島津製作所では2010年9月のLCMS-8030発表以降,残留農薬,動物用医薬品,水質分析,法薬毒物の各種メソッドパッケージを順次販売しています。LCMS-8040でもこれらのメソッドパッケージをそのままお使いいただくことができます。LCMS-8030を用いて開発した残留農薬一斉分析メソッドをそのまま使用して,農薬167成分の一斉分析を行った例では,全成分で感度向上が見られ,平均で3倍の感度向上が見られました。下記は抜粋した3成分のクロマトグラムです。

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