LCMS-2020 - 特長

超高速シングル四重極型質量分析計

高速極性切替 -Ultra Fast switching®-

 正イオンおよび負イオンのどちらも検出したい場合には,正と負のイオン化モードを交互に切り替えながら測定を行います。
 LCMS-2020 では新たなテクノロジー(特許申請中)を搭載した高電圧電源の採用により超高速な極性切替えを実現しました。

 超高速LCのピークは,溶出時間が短いため非常にシャープになり,正確なピーク形状を得るためにはデータポイントの数が重要になります。
 LC-2020では正負極性を超高速に切り替えることでデータ採取ポイントを維持したまま,正・負イオンを同時に測定することができます。

正負イオン化極性 高速切替

切替速度の違いによるピーク形状比較

 正負切替速度の違いによるMSクロマトグラムのピーク形状比較です。 このように正負切替速度が速い方がデータポイント数が多いため正確なピーク形状を得ることができ,再現性のよい定量が可能です。

切替速度比較

高感度を維持したまま超高速極性切り替えが可能

 正負極性切替のためには,イオン化電圧,検出器電圧の切替が必要ですが,これらの電圧は数kVと高電圧であるため,感度の安定性を維持しながら,高速で切替えることは容易ではありません。 LCMS-2020では,超高速で切り替えても高感度を維持したまま測定することが可能です。 正負極性切替スピードを「切替えなし」「高速切替え」と変えてイオン強度を比べると,図のように,超高速切替えの場合も,切替えなしの場合と同様のイオン強度が得られていることが分かります。

正負極性切替無し
正負極性切替スピード15msec

超高速分析にも追従する卓越した感度 -Ultra Fast sensitivity-

新たに開発したQoQ イオン光学系により,卓越した感度と再現性,幅広い直線性を実現しました。

新 QoQ イオン光学系

 真空領域にはQarrayやオクタポールなどの部品があります。 こうした部品はイオンを収束する役目を果たしていますが,この収束の善し悪しが感度に大きく影響します。 LCMS-2020では新設計のレンズ群を採用。 化合物イオンを高効率で絞り込むことでシャープな状態を維持しながら四重極ロッドでの分離や検出部での検出が可能になりました。

lcmsシステム

高感度測定データ例

 レセルピン 1pg のSIM分析結果です。 繰り返し注入時のピーク面積再現性(CV値)は約 2% ( S/N 350)。 また,分析可能な濃度範囲は,0.1pgから1,000pgまでというこの例からも分かるように,優れたダイナミックレンジ(直線性)を実現しています。

面積再現性データ
直線性データ

高速スキャン -Ultra Fast Scanning®-

LCMS-2020は,高いスピードでスキャンすることが可能です。 スキャンスピードとm/zに応じてQuadrupole(四重極ロッド)へ印加する電圧をコントロール。この新技術(特許申請中)の採用により,高速スキャンにおいても分解能を維持しながら高いイオン透過率を達成しました。

高速スキャン

→ スキャンスピードについて

 スキャン測定とは指定した質量範囲にわたって一定周期で繰り返しデータ採取を行います。  例えば質量100~1,100の範囲をスキャン測定し,質量500のクロマトグラムを描きます。 左図ではt秒間に5回スキャン,右図ではその2倍のスピードでt秒間に10回スキャンしています。 この図からもわかるように左図のようにデータ採取ポイント数が少なくなると真のピーク形状が得られず,分析データの質は低下してしましいます。 しかし,右図のようにデータ採取ポイント数が多くなる,つまりスキャンスピードが速いと信頼性の高いクロマトグラフを得ることができます。

スキャン測定とは指定した質量範囲にわたって一定周期で繰り返しデータ採取を行います。  例えば質量100~1,100の範囲をスキャン測定し,質量500のクロマトグラムを描きます。 左図ではt秒間に5回スキャン,右図ではその2倍のスピードでt秒間に10回スキャンしています。 この図からもわかるように左図のようにデータ採取ポイント数が少なくなると真のピーク形状が得られず,分析データの質は低下してしましいます。 しかし,右図のようにデータ採取ポイント数が多くなる,つまりスキャンスピードが速いと信頼性の高いクロマトグラフを得ることができます。

スキャンスピードと採取ポイントの比較

UFscanning®機能 +UFswitching®機能

短時間に多成分が溶出するような超高速分析では,その検出(MS測定)も超高速であることが求められます。 高速スキャンの "UFscanning®" と,高速極性切替 "UFswitching®" が, 超高速MS測定を可能にしました。 超高速LCのシャープなピークも見逃しません。

UFswitching

高速極性切替

正イオン,負イオンのどちらも検出したい場合には,正負イオン化モードで極性を切り換えながら測定します。 下図は,"UFscanning®" + "UFswitching®" による,正,負イオン測定のMSクロマトグラムです。 超高速LCMS測定において,高速スキャン,高速イオン切替によって正確なクロマトグラムを得ることができます。

UFLC-MS測定データ

UFscanning®とUFswitching®による農薬分析

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