LCMS-IT-TOF

液体クロマトグラフ質量分析計

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構造解析の例 -エリスロマイシンAオキシム(Ery-AO)の不純物解析-

 エリスロマイシンAオキシム(Ery-AO)の不純物解析を行った例をご紹介します。

 UVとMSのクロマトグラムを示します。 不純物が幾つか確認できます。(なお,MSのデータでは主成分が高濃度であるため,バルブを用いてピークの終盤のみMSに導入しました)

UVクロマトグラム
UVクロマトグラム

MSクロマトグラム
MSクロマトグラム

Ery-AOマススペクトル
Ery-AOマススペクトル

MS/MSスペクトル:m/z747
MS/MSスペクトル:m/z747

 右にEry-AOのマススペクトルを示します。 m/z747.4616はEry-AOの脱プロトン化イオンであり,理論値(747.4643)との差がわずか-2.7ミリダルトンでした。  m/z747のMS/MSスペクトルを右下に示します。 m/z571に大きなピークがあります。 m/z747より176小さく,構造式に示すA領域脱離(B+C)と推定できます。 また,C領域と考えられるm/z396.2377は,理論値との差がわずか-0.9ミリダルトンで信頼性が高いと言えます。

構造式

不純物Aマススペクトル
不純物Aマススペクトル

MS/MSスペクトル:m/z733
MS/MSスペクトル:m/z733

 不純物Aを例に見てみましょう。  不純物AのMSスペクトル,およびMS/MSスペクトルを示します。MS/MSからはEry-AOと似た構造が考えられます。  m/z396.2406がありますが,これはC領域の理論値m/z396.2386と2ミリマス差です。 m/z571も検出されていてEry-AOのMS/MSスペクトルと類似していますが,不純物Aの分子量は733であり,脱離した部位との差は162となっています。 A領域との差は14.0144マスであり,Accurate Mass Calculatorを用いた推定により,CH2(14.0156)に相当すると考えられます。 したがって不純物Aは,A領域のいずれかのメチル基が水素に置換された構造であると推定できます。

構造式

 Ery-AOの構造情報を示すMS/MSパターンとミリマスの情報を用いて他の不純物の構造も推定できました。 また,MS/MSパターンから一部外部要因で混入した不純物があることも判明しました。

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