イオン排除クロマトグラフィーにおける有機酸の分離改善
・・・ カラム温度設定の工夫

UHPLC/HPLC Applications

LCtalk86号 Applications

 イオン排除クロマトグラフィーによる有機酸分析においては,試料中に多成分の有機酸が存在する場合,移動相の酸濃度やカラム温度の変更,カラム2本の接続などにより,有機酸の相互分離の改善をはかります。ここでは,2本のカラムの温度設定を工夫することにより分離を改善した例をご紹介します。

 図1に,2本のカラムを直列接続し,同一カラム温度(25 ℃および48 ℃)で12種類の有機酸混合標準液を分析したクロマトグラムを,分析条件を表1に示します。装置には,島津有機酸分析システム(ポストカラムpH緩衝化-電気伝導度検出)を用いました。カラム温度25 ℃では,こはく酸と乳酸,フマル酸と酢酸のピークが分離できていません。一方,カラム温度48 ℃では,こはく酸と乳酸,フマル酸と酢酸のピークは分離は可能ですが,りん酸とα-ケトグルタル酸,ぎ酸とフマル酸のピークが分離できていません。

図1 カラム温度25 ℃と48 ℃における有機酸
12成分標準液のクロマトグラム 
 

 この例のように,同一カラム温度で2本直列の条件で分析を行っても,有機酸類のカラム温度による保持挙動の違いにより,完全分離が達成できないこともあります。そこで,図2のようにカラムオーブンを2台併設し,1本目のカラム温度を25 ℃,2本目のカラム温度を48 ℃にして分析を試みました。図3 に,その結果を示します。

図2 流路図

図3 カラム温度を別々に設定した時のクロマトグラム

 以上,イオン排除クロマトグラフィーにおいて,2本のカラム温度の設定を工夫することにより,多様に分離挙動をコントロールすることができ,これまで分離が困難であった成分同士の分析も可能となることがわかりました。

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