Nexera Bio

バイオコンパチブル液体クロマトグラフ Nexera Bio

Nexera Bioは,超高速液体クロマトグラフNexeraシリーズの特長である信頼性,堅牢性および拡張性をそのままに,遺伝子組換え,細胞融合,細胞培養などのバイオテクノロジーを利用して開発/製造されたタンパク質性医薬品や抗体医薬品などの分析に適した超高速バイオコンパチブルLCシステムです。

Nexera Bioは抗体医薬品や膜タンパク質の分析において一般的に用いられる高濃度の塩や酸を含む移動相溶媒に対応できるほか,金属への親和性が高いリン酸化ペプチドの分析時に問題となる配管吸着由来のピークテーリングを抑制し,質の高いデータの取得や解析をサポートします。

ここではNexera Bioを用いたリン酸基含有化合物やペプチドの分析についてご紹介します。

1. Nexera Bioの特長

1. 低キャリーオーバーを実現

島津製オートサンプラーで定評のある,低キャリーオーバー設計に加え,バイオサンプルのキャリーオーバーを抑えるための,素材選定や洗浄機構を採用しています。これまでキャリーオーバーの影響で,正しく定量できなかったピークも再現性良く検出でき,データの信頼性も向上します。

 

2. サンプルのロス(吸着)をシステム全体で抑制

ステンレス配管などに吸着しやすいバイオサンプルの分析のために,流路をイナート化することで,これまで十分な感度で検出できなかったピークを検出することが可能です。

 

3. 耐腐食性を向上

高塩濃度やハロゲンを含む移動相条件での分析に耐えるため,接液部材のコーティングやポンプの自動洗浄を行っています。通常システムでは塩の析出や腐食により,長期安定稼働が難しい条件でも,トラブルなく,安定稼働ができることを確認しています。

 

2. Nexera Bioの利点

2-1. 高感度分析の実現

ATP分析における装置間での感度比較

右の図はNexera Bioと汎用UHPLCを用いてATP(アデノシン三リン酸)標準溶液(1 mg/L)をフローインジェクション分析して得られたクロマトグラムを示します。

汎用UHPLCを用いて金属への親和性の高いATPを分析した場合,配管吸着の影響によりピークを検出することが困難でした。Nexera Bioでは配管吸着を抑制し,良好なピーク形状が得られる共に,微量なサンプルでも高感度に分析することができます。

  1st Inj. 2nd Inj. 3rd Inj.
Nexera Bio 6,242 6,357 6,221
汎用UHPLC 825 1,121 1,389

 

2-2. 良好な再現性

ATP分析における装置間での再現性比較(n=10)

右の図はNexera Bioと汎用UHPLCを用いてATP標準溶液(1 mg/L)を繰り返し10回分析し,ピーク面積値を比較したものを示します。

Nexera Bioはサンプルが通過する流路内の金属吸着部位を極力低減したことにより,汎用UHPLCよりも高感度且つ良好な再現性を得ることができます。

  平均値(n=10) 変動係数(%)
Nexera Bio
6,390
1.8
汎用UHPLC 1,177 13.0

3. バイオ医薬品分析に最適な消耗品のご紹介

ペプチド医薬品,核酸医薬品などの中分子医薬品や,バイオ医薬品の開発が加速するなか,より高品質な医薬品の供給や創出に向け,より精度の高い分析評価技術が求められています。
Shim-pack Bio DiolカラムおよびIEXカラムは,その性能により,中分子医薬品やバイオ医薬品の分析評価精度向上に貢献します。

3-1. Shim-pack Bio Diolを用いた抗体医薬品の凝集体評価の例

水系サイズ排除クロマトグラフィー用カラム“Shim-pack Bio Diol”を用いて抗体医薬品の凝集体を評価した例をご紹介します。
Shim-pack Bio Diol は異なる4種類のポアサイズをラインアップしており,サイズ排除クロマトグラフィに適したバイオアナリシス用の分析カラムです。抗体医薬品の凝集解析やフラグメントの分離,核酸,糖鎖の分離や分子量の測定に適しています。
下図には“Shim-pack Bio Diol”を用いて抗体医薬品を分析した例を示します。
粒子径を5 µmから2 µmに低減することにより,凝集体の分離を改善すると共に,感度や定量精度の向上にも繋がります。
さらに1/2長さのカラム(150 mmL.)を用いることにより,凝集体の高速高分離分析を実現することができます。

粒子径2 µmカラムを用いた抗体凝集解析の迅速化

 

3-2. Shim-pack Bio IEXを用いた合成オリゴヌクレオチドの例

Shim-pack Bio IEX”は,タンパク質や核酸類の分離に適したイオン交換カラムです。
“Shim-pack Bio IEX”にはノンポーラスタイプとラボスケールでの少量精製を可能としたポーラスタイプをラインアップしています。
下図はノンポーラスタイプの“Shim-pack Bio IEX”を用いて合成オリゴヌクレオチドを分析した例を示します。
“Shim-pack Bio IEX”は一塩基の違いをも見逃すことなく認識することができます。

Shim-pack Q-NPを用いた合成オリゴヌクレオチド(一本鎖DNA)の分離

3-3. メタルフリーカラム MastroTM C18を用いたペプチドの分析例

Nexera Bioと高耐圧メタルフリーカラム“MastroTM C18”を用いて,アンジオテンシンI 標準溶液(100 mg/L)を繰り返し5回分析して得られたクロマトグラムを示します。
ピーク面積値の相対標準偏差(n=5)は0.12%と良好な再現性が得られました。

Nexera BioとMastroTMカラムによる,アンジオテンシン I の分析 (n = 5)

 

平均値(n=5) 変動係数(%) シンメトリー係数
416,572 0.12 % 1.2

Nexera BioとMastroTM C18の組み合わせは,吸着の低減と高感度化を両立し,バイオ医薬品分析における信頼性向上に寄与できると考えられます。

4. カラムラインアップ

4-1. Shim-pack Bio Diol

詳細

Shim-pack Bio Diol Diol-60 Diol-120 Diol-200 Diol-300
基材 シリカゲル
官能基 ジヒドロキシプロピル(Diol)
粒子径 3 µm,5 µm 2 µm,3 µm,5 µm
ポアサイズ 6 nm 12 nm 20 nm 30 nm
使用pH範囲 5.0 - 7.5
対象分子量範囲 1万以下 1,000 - 10万 5,000 - 30万 2万 - 100万

オーダーインフォーメーション

粒子径 2 µm 3 µm
充填材 Diol-200 Diol-300 Diol-60 Diol-120 Diol-200 Diol-300
4.6 x 150 mm 227-31009-01 227-31010-01  
4.6 x 300 mm 227-31009-02 227-31010-02 227-31007-01 227-31008-01 227-31009-03 227-31010-03
耐圧 45 MPa 20 MPa
粒子径 5 µm
充填材 Diol-60 Diol-120 Diol-200 Diol-300
4.6 x 300 mm 227-31007-02 227-31008-02 227-31009-04 227-31010-04
8.0 x 300 mm 227-31007-03 227-31008-03 227-31009-05 227-31010-05
8.0 x 30 mm (ガードカラム) 227-31007-04 227-31008-04 227-31009-06 227-31010-06
耐圧 20 MPa
20 x 300 mm 227-31097-01 227-31098-01 227-31099-01 227-31100-01
20 x 500 mm 227-31097-02 227-31098-02 227-31099-02 227-31100-02
20 x 50 mm (ガードカラム) 227-31116-01 227-31117-01 227-31118-01 227-31119-01
耐圧 10 MPa

4-2. Shim-pack Bio IEX

詳細

Shim-pack Bio IEX Q-NP SP-NP Q SP
基材 親水性ノンポーラスポリマー 親水性ポーラスポリマー
官能基 - CH2N+(CH3)3 - (CH2)3SO3- - CH2N+(CH3)3 - (CH2)3SO3-
粒子径 3 µm,5 µm 5 µm
使用pH範囲 5.0 - 7.5

オーダーインフォメーション

Shim-pack Bio IEX Q-NP SP-NP Q SP
多孔性 ノンポーラス ポーラス
  3 µm 5 µm 3 µm 5 µm 5 µm
4.6 x 30 mm 227-31002-01 227-31003-01 227-31005-01 227-31006-01 227-31001-01 227-31004-01
4.6 x 50 mm 227-31002-02 227-31003-02 227-31005-02 227-31006-02 227-31001-02 227-31004-02
4.6 x 100 mm 227-31002-03 227-31003-03 227-31005-03 227-31006-03 227-31001-03 227-31004-03

4-3. 高耐圧メタルフリーカラム MastroTM C18

高耐圧メタルフリーLCカラム Mastro(TM)
MastroTMカラム断面イメージ図

リン酸化ペプチドやヌクレオチドなどのリン酸基を含む化合物を一般的なHPLCシステムで分析すると,ピークテーリングや吸着現象が起こる事が一般的に知られています。

MastroTM(マストロ)シリーズは,ステンレス製のカラム管の内面をポリマーコーティングすると共に,フリット部分に高耐圧性のポリマー素材を採用した高耐圧メタルフリーカラムです。MastroTMシリーズにはMastroTM C18 と MastroTM PFP2(Penta Fluoro Phenyl)の2 種類がラインアップされています。

MastroTM PFP2(Penta Fluoro Phenyl)は,C18 系のカラムでは化合物の保持や分離が困難な化合物(例えば位置異性体やハロゲン系化合物など)に適した逆相系カラムです。

ATP分析におけるMastroTM C18カラムの吸着抑制効果

右の図はNexera Bioを用いて,汎用ODSカラム(ステンレス製カラム)と高耐圧メタルフリーカラム MastroTM C18を用いてATP標準溶液(10 mg/L)を分析比較した結果を示します。

汎用ODSカラムでは,カラム内側の金属表面への吸着によりATPを検出することができませんでしたが,内面をポリマーコーティングしたMastroTM C18は試料をロスすることなく検出することができました。

これら結果からNexera BioとMastroTM C18の組み合わせは,ヌクレオチドのようなリン酸基含有化合物を安定して分析できることが示されました。

  平均値(n=3) 変動係数(%)
MastroTM C18 38,481 4.5
SUS Body C18 N.D. -

⇒ MastroTMカラムについてのお問い合わせはこちら(島津GLC)

5. 高耐圧PEEKチューブ/フィンガータイトフィッティング Nexlock PLS

オートサンプラとカラム間を接続する配管にステンレスで補強した高耐圧PEEK チューブ(Nexlock PLS)を採用しました。フィッティングは配管の端面で直接シールする構造から,接続部でのデッドボリュームをなくし,ピークテーリングを抑制することができます。

またフィッティングと配管の接続には専用冶具などを用いることなく手で容易に脱着/交換することができます。

※ 仕様耐圧 66 MPa,推奨交換目安 100回

6. TORAST-HTM Bio Vialのご紹介

ミオグロビンのトリプシン消化物による吸着試験

ペプチドがバイアルに吸着する主なメカニズムは,疎水的吸着及びイオン的吸着と言われています。ガラス製バイアルでは主にガラス表面のシラノールとのイオン的吸着が,一方,ポリプロピレン(PP)等のポリマー製バイアルでは主にポリマーとの疎水的吸着が生じます。ペプチドを分析されている方の間では,この双方の吸着に対して抑制効果のあるバイアルの登場が切望されているのではないでしょうか。
今回,島津ジーエルシーでは,ポリマー製バイアルに特殊コーティングを施したペプチド低吸着バイアルを開発しました。このバイアルは塩基性,酸性及び中性化合物に対し極めて不活性度が高いという結果が得られています。特に濃度の低い試料をお取扱いになることが多いLC及びLC/MS(/MS)ユーザー様はぜひ一度お試しください。

⇒ TORAST-HTM Bio Vialについてのお問い合わせはこちら(島津GLC)

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