i-Series Plus

液体クロマトグラフ

素材分析への応用:主成分高分子と微量添加剤の同時分析

・示唆屈折率検出器(RID)を接続でき,2検出器,PDA検出器とRIDによる主成分高分子と添加剤の同時分析
・フットプリント最小限に抑えたコンベンショナルスケールのGPCシステムを構築可能
・GPCで使用するような30cmのカラムを3本まで収納可能
抜群の送液安定性により,分子量計算の信頼性向上をサポート

古くから疎水性高分子分析には,示差屈折率検出器を用いたGPC分析が行われていますが,UV吸収を持つ微量添加剤が含まれている場合には高感度に検出するため,UV 検出器,あるいは,フォトダイオードアレイ(PDA)検出器を合わせて用いる場合があります。示差屈折率検出器とUV検出器を併用することで,主成分高分子と微量添加剤を同時に分析でき,高分子の分子量分布計算とともに,微量添加剤の確認が可能となります。
ここでは,ヒンダードフェノール系酸化防止剤に代表されるIrganox®1010をポリスチレン(PS)に少量添加したものをサンプルとして,分子量分布計算と添加剤の確認を同時に行った分析例をご紹介します。

添加剤含有 PS(5 g/L)のクロマトグラムをFig.1に示します。約7.5分に溶出したPSの直後にIrganox1010のピークを検出しました。示差屈折率検出ではわずかに検出された添加剤のピークは,PDA検出の検出波長を最適化することにより,高感度に検出されました。

Fig.1 添加剤含有ポリスチレン(PS)のクロマトグラム

含有添加剤の定性・定量

Prominence-i PDAモデルの場合,内蔵PDAでUVスペクトルが得られます。標準試料のUVスペクトルにより,より長波長側の極大波長を選ぶなどPDA検出の検出波長を最適化して,高感度検出が可能になります。また,実サンプルの添加剤由来と思われるUVスペクトルと標準試料のUVスペクトルを極大吸収波長などで比較することで確認することもできます(Fig.2)。
Irganox1010の検量線を10~100 mg/Lの濃度範囲で作成したところ,寄与率 R2= 0.999 以上と良好な直線性が得られました(Fig.3)。この検量線より,前述のサンプルのIrganox1010の定量値は10.8 mg/gポリスチレン(PS)となりました。今回,PSに1%相当量のIrganox1010を添加したので回収率は108%となり良好な結果が得られました。

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 Fig.2 標準試料と実サンプルのUVスペクトルの比較

Fig.3 Irganox 1010 の検量線

ポリスチレンの分子量分布

PSの較正曲線は,3,950~197,000の分子量範囲でを作成したところ,寄与率 R2= 0.999以上と良好な直線性を示しました。添加剤含有 PS の分子量分布曲線を示します(Fig.4)。黒色実線は微分分子量分布曲線,青色実線は積分分子量分布曲線となります。重量平均分子量(Mw),数平均分子量(Mn)はそれぞれ 26078,15422 と計算され,分子量分布(多分散度:Mw/Mn)は約 1.69 と計算されました。

Fig.4 PS の分子量分布曲線
   黒線 : 微分分子量分布曲線
   青線 : 積分分子量分布曲線

Irganoxは,BASF SEの登録商標です。

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