Q: イオン源ヒーターをON/OFFしたい(お問い合わせ番号0201)
A: GCMS-QP2010シリーズのイオン源温度の制御範囲は100~260℃,GCMS-QP2010 Plusのイオン源温度の制御範囲は100~300℃です。 MSパラメータでイオン源温度をこの範囲外に設定した場合,イオン源ヒーターが自動的にOFFになります。こういう場合は,イオン源のヒーターをONにしてください。
1. [GCMS分析]ウィンドウ左側のアシスタントバーから[真空系の起動・停止]アイコンをクリックします。
2. [起動・停止]画面で[手動操作]ボタンをクリックし,「イオン源ヒーター]のマニュアル設定ができるようにします。

[起動・停止]画面
3. 「イオン源ヒーター]の[ON]ボタンをクリックするとイオン源ヒーターがONになり,イオン源の温調を行います。 [OFF]ボタンをクリックするとイオン源ヒーターがOFFになり,イオン源の温調を行いません。
4. 設定が終了したら,[閉じる]をクリックして[起動・停止]画面を閉じます。
 

Q: 真空度の単位を変更したい(お問い合わせ番号0202)
A: GCMSsolutionでの真空度の単位は,初期設定では”Pa”表示ですが,”Torr”に変更することができます。 (1Paは約7.5×10-3Torr)
1. [GCMS分析]ウィンドウ左側の[分析]アシスタントバーから[環境設定]アイコンをクリックします。  [分析に使用するユニット]の[MS]アイコンをダブルクリックします。

[環境設定]画面

2. [分析ライン1のユニット]画面が開くので,[MS]タブをクリックします。  [真空度単位]ボタンをクリックし,真空度の単位を選択します。ここでの設定が,画面表示やレポート出力時に使用されます。

[分析ライン1のユニット]画面
3. [環境設定]画面を閉じた後,GC装置モニタもしくはチューニング画面で真空度の単位が変更されたことを確認してください。 GC装置モニタの真空度のグラフにマウスカーソルを合わせると,実測値が表示されます。 環境設定で[イオンゲージ] が[なし]になっているときは,高真空は表示されません。

[チューニング]画面

 

Q: 真空系自動復帰をON/OFFしたい(お問い合わせ番号0211)
A: 落雷や強風などで停電した場合,装置は停止してしまいます。通電しても真空ポンプが停止したままですと,真空が維持できず,すぐに測定が開始できません。 ここでは,停電等で装置が停止した後に通電が開始した時,真空系を起動するかどうかを設定します。ただし停電によって装置が止まる前に,すでに真空系が止まっていた場合は,設定如何によらず起動しません。

[GCMS分析]ウィンドウで,[分析]アシスタントバーの[真空系の起動・停止]アイコンをクリックします。
[起動・停止]画面が開くので,[真空系自動復帰]にチェックをつけると真空系自動復帰がONになり,チェックを外すと真空系自動復帰がOFFになります。
設定が終了したら,[閉じる]ボタンで画面を閉じます。

[起動・停止]画面
 

Q: MSの真空を止めずに注入口をメンテナンスしたい(Easy sTop)(お問い合わせ番号0213)
A: GC/MS分析においてメンテンナンス頻度が高い部分は注入口のインサートやセプタムです。 GCMS-QP2010 UltraとGCMS-QP2010 SEでは,MSを停止することなくメンテナンスすることが可能なので,装置の停止時間(ダウンタイム)を最小限にすることができます。
MSの真空を止めずに注入口のメンテナンスする方法(Easy sTop)をご紹介します。
注1:真空系を維持した状態でセプタム・ガラスインサートを交換するので,液相の種類によっては,カラムの性能を劣化させる可能性があります。 運用前に妥当性を検証されることをお勧めします。
注2:GCMS-QP2010 Ultra/GCMS-QP2010 SEとGCMSsolutionVer.2.70以降の組み合わせでお使いいただける機能です。

 
1.

<[Easy sTop]画面の表示>
[GCMS分析]ウィンドウの装置モニタの[詳細]アイコンをクリックします。 [装置モニタ詳細]画面の[消耗品]タブをクリックします。 [Easy sTop]アイコンをクリックしてください。


[装置モニタ詳細]画面
2. <セプタムやガラスインサートの交換>
[Easy sTop]画面の表示後,接続されているすべての試料気化室,カラム,インタフェースの温度が下がり始めます。 温度が70℃以下になった時,[Easy sTop]画面に,[準備完了]のステータスが表示されます。
[交換開始]ボタンをクリックすると,交換中の表示に変わります。 試料気化室のセプタムやガラスインサートを交換してください。

 

[Easy sTop]画面
3. <交換後のチェック>
セプタムやインサートを交換し終わったら,[Easy sTop]画面の[交換終了]ボタンをクリックします。 空気の漏れ込み状況が自動的にチェックされ,基準値以下になれば,試料気化室,カラム,インタフェースの温度がEasy sTop開始前の状態に戻ります。
4. <セプタムやガラスインサート回数のクリア>
[消耗品リセット]画面が自動的に開くので,交換したセプタムやガラスインサートの[クリア]ボタンをクリックして,セプタムやガラスインサートの回数を[0]にリセットします。 [消耗品リセット]画面の[OK]ボタンをクリックして閉じ,[装置モニタ詳細]画面も[OK]ボタンで閉じます。

[消耗品リセット]画面
 

Q: モニターグループを登録したい(お問い合わせ番号0203)
A: 望ましいマススペクトルピークを取得できるように,MSの制御パラメータ(レンズ系やロッド,検出器等の電圧や,RFの設定)を調整することができ,この調整の手段としてオートチューニング(自動調整)とピークモニタ(手動調整)があります。 ピークモニタでは,観測するm/zおよび倍率をモニタグループとして登録しておくことができます。 モニタグループには「PFTBA」,「水,空気」が予め登録されています。
1. [GCMS分析]ウィンドウ左側の[分析]アシスタントバーから[チューニング]アイコンをクリックします。  [チューニング]アシスタントバーの[ピークモニタ]アイコンをダブルクリックします。 [ピークモニタ]で[m/z]と[倍率]を入力します(m/z: 2 から1088 (整数で入力),倍率: 1 ~ 999)。

[ピークモニタ]画面

2. [チューニング]メニューの[モニタグループ]をクリックし,[モニタグループ登録]画面を開きます。[グループ名]に名前を入力します。 現在観測しているピークのm/zと倍率が表示されます。 [検出器電圧をモニタグループに登録する]チェックボックスをオンにすると,今回登録したモニタグループが選択された時に,検出器電圧が現在の表示値に変更されます。 登録しない場合は,電圧は変更されません。 確認後[登録]ボタンをクリックし,モニタグループに登録します。
すでに登録しているグループと設定内容を削除する場合は,[グループ名]に削除するグループを選択し,[削除]ボタンをクリックします。 予め登録されているモニタグループは削除できません。

[モニタグループ登録]画面
3. 登録したモニターグループの確認は,[ピークモニタ]の[モニターグループ]に登録したモニターグループを選択します。 m/zおよび倍率が登録した数値になっているか確認してください。

モニターグループの確認

 

Q: オートチューニング結果の印刷をON/OFFしたい(お問い合わせ番号0209)
A: オートチューニング結果は,装置の状態の履歴として利用するため,初期設定では,オートチューニングを実行した後に自動的に印刷を行う設定になっています。もし,オートチューニングの印刷が不要であれば,印刷しない設定にすることができます。
1. [GCMS分析]ウィンドウ左側の[分析]アシスタントバーから[チューニング]アイコンをクリックします。 オートチューニングを実行した後,自動的に印刷を行う場合は,[チューニング]メニューの[オートチューニング終了後結果を印刷]にチェックを入れます。 印刷をしない場合は,チェックを外します。

[チューニング]画面

2. [チューニング]メニューの[オートチューニング開始]をクリックします。 [オートチューニング]実行画面には,オートチューニングを実行している間に調整されるMSの制御パラメータを表示します。 オートチューニングで行う各処理に対して,現在の進捗程度をバーグラフの伸び率にて表示します。バーグラフ中には,現在行っているチューニングの処理のメッセージと全体の進捗度(%)を表示します。

[オートチューニング]画面
オートチューニングを中止する場合は,[中止]ボタンをクリックします。
 

Q: オートチューニングの履歴を残したい,バックアップを作成したい(お問い合わせ番号0210)
A: オートチューニング結果は,装置の状態の履歴として利用することが多く,自動的に保存されていると便利です。 ここでは,オートチューニングの履歴を残す方法とバックアップ方法を紹介します。
1. [GCMS分析]ウィンドウ左側の[分析]アシスタントバーから[チューニング]アイコンをクリックします。 [チューニング]アシスタントバーの[ピークモニタ]アイコンをクリックします。 [ツール]メニューの[オプション]をクリックします。
[オプション設定]画面が開きます。[ログ]タブをクリックし[オートチューニングの履歴を残す]にチェックを入れます。履歴とともにバックアップも残したい場合は[チューニングファイル保存時にバックアップを作成する]にもチェックを入れます。
履歴ファイルは,ともに\GCMSsolution\Log\Tuningフォルダに格納されます。 設定後,[OK]ボタンで画面を閉じます。

[オプション設定]画面

2. [チューニング]メニューの[オートチューニング開始]でチューニングを行います。
チューニング後,[ツール]メニューの[オプション]をクリックし,[オプション設定]画面の[ログ]タブをクリックします。 [参照]ボタンをクリックし,オートチューニングの履歴を開くアプリケーションを選択します。 [履歴を表示]ボタンをクリックすると,オートチューニングの履歴を指定したアプリケーションで履歴を表示させることができます。表示されたら[OK]ボタンで画面を閉じると,オートチューニングの履歴が表示されます。


 

Q: イオン化電圧/エミッション電流を変更したい(お問い合わせ番号0204)
A: GCMS-QP2010シリーズは,イオン化電圧やエミッション電流を変更して,イオンの開裂を変化させることができます。但し,シミラリティ検索を行なう場合はイオン化電流を70eVに設定して測定する必要があります。

イオン化電圧の変更について

1. [GCMS分析]ウィンドウ左側の[分析]アシスタントバーから[チューニング]アイコンをクリックします。
[ピークモニタ]画面右にある[高度な設定]ボタンをクリックし,[高度な設定]画面で[イオン化電圧]もしくは[エミッション電流]を変更します。(数値を変更すると性能が損なわれる恐れがあります。)[イオン化電圧]および[エミッション電流]は,説明資料gcms204.pdfで示している推奨設定範囲でご使用ください。
     イオン化電圧 設定可能値:10~200V (1V単位)
     エミッション電流 設定可能値:5~250uA (1uA単位)
[閉じる]ボタンをクリックし,高度な設定を終了します。

イオン化電圧の変更について

2. 変更後,[チューニング]アシスタントバーの[オートチューニング開始]アイコンをクリックし,オートチューニングを行いGC/MSを最適化します。
 

Q: システムチェックを行いたい(お問い合わせ番号0212)
A: システムチェックは,消耗品のチェックや装置の調整などを行い,その結果を画面に表示します。 実行結果はファイルに保存されますので,過去の結果も印刷することができます。 判定に使用する基準値を変更することもできます(判定基準値の初期値は目安です。メーカ保証値ではありません)。
1. <システムチェック画面を開く>
[GCMS分析]画面で,[装置]メニューの[システムチェック]をクリックします。 [システムチェックチューニングファイル]画面で,[メンテナンス],[GCチェック],[MSチェック]などシステムチェックを行う項目にチェックを入れます。
オートチューニングを行う場合は,[必要時オートチューニング実行]か[オートチューニングを必ず実行]にチェックを入れます。
システムチェック結果の自動印刷も行う場合は,[結果の印刷]にチェックを入れます。
注:イオン源がEIでない場合,実行できない項目があります。(実行できないものは詳細画面でグレー表示されます。)

[システムチェックチューニングファイル]画面

2. < GC,MSの高度な設定>
[高度な設定]ボタンをクリックして,高度な設定を行なうための詳細設定を表示します。
注:以下操作は「システムチェック設定の変更」権限をもつユーザーのみ行えます。
[GC]タブの[メンテナンス],[GCチェック]の中で,システムチェックを行う項目にチェックを入れます。
次に,[MS]タブで[メンテナンス],[MSチェック],[オートチューニング実行時チェック]の中で,システムチェックを行う項目にチェックを入れます。 システムチェック実行時に使用するチューニングファイルは,[…]ボタンから設定します。 空白の場合,前回のデータ採取で使用されたチューニングファイル,または前回のチューニングで保存されたチューニングファイルが使用されます。

[MS]タブ
3.

<システムチェックの実行>
[実行]ボタンで,システムチェックを実行します(実行中に,中止したい場合は[中止]ボタン)。 システムチェック終了後,[結果表示]ボタンをクリックすると,システムチェック結果を画面に表示します。


システムチェック結果
 
 

Q: 消耗品の消耗度を確認したい(お問い合わせ番号0205)
A: GCの注入口ゴム栓やイオン源のフィラメントなどの消耗品は,予備を準備して置くほうが望ましいです。 交換時期の目安を知るために,GC消耗品とMS消耗品の消耗度を確認することができます。
1. <装置モニタから確認>
[GCMS分析]ウィンドウ左側の[分析]アシスタントバーから[データ採取]アイコンをクリックします。
[表示]メニューの[装置モニタ]にチェックを入れ,装置モニタが表示し,装置モニタのGC消耗品,MS消耗品の各アイテムのアイコン表示を見ることで,使用状況を確認することができます。 各アイコンにマウスをフォーカスすると,各部の使用回数,時間を確認することができます。

装置モニタ

装置モニタ アイコン
各アイコンは,使用状況によりアイコンの背景の色が5段階に変化します。 アイコンの背景が白い程と消耗度が低く,黒いほど交換する方が望ましい状態を表しています。
2. <装置モニタ詳細で確認>
装置モニタの[詳細]ボタンをクリックすると,〔装置モニタ詳細〕画面を開きます。 〔消耗品]タブに,GC消耗品とMS消耗品の[使用回数]と[交換の目安]が表示されます。

装置モニタ詳細
 

Q: セプタムやインサートの使用回数の上限値を変更したい(お問い合わせ番号0206)
A: 前処理装置がついている場合でセプタムやガラスインサートを使用しない場合に使用回数を無効にする,またはガラスインサートの汚染が大きい分析をする場合など使用回数を変更するなど,セプタムやインサートの使用回数の上限値を変更することが可能です。

1. <環境設定画面を表示>
[GCMS分析]ウィンドウの[分析]アシスタントバーから[環境設定]アイコンをクリックします。
[環境設定]画面の[分析に使用するユニット]の[SPL1](初期設定時)をダブルクリックしてください。

[環境設定]画面

2. <使用回数の上限値を変更>
〔分析ライン1のユニット〕画面の[SPL1]タブをクリックし,試料気化室の環境設定画面にします。
[消耗品交換の目安]ボタンをクリックすると,〔消耗品交換の目安(SPL)〕画面が開きます。

〔消耗品交換の目安(SPL)〕画面
消耗品交換の目安の[セプタム使用回数]や[ガラスインサート使用回数]に数値を入力します。 セプタム使用回数やガラスインサート使用回数に0を入力すると,消耗品の上限値は無効になります。
[規定値]ボタンをクリックすると,初期値値(セプタム使用回数:100回,ガラスインサート使用回数:500回)がエディットボックスに入ります。
設定後,[OK]ボタンで画面を閉じます。 環境設定画面も閉じます。
注1:[既定値]ボタンをクリックしたときにエディットボックスに設定される初期値は,あくまでも目安です。 初期値としてメーカー推奨値(保証値ではありません)が入っていますが,分析に要求される精度やコストなどを考慮して,適宜変更することができます。
注2:SPLなどの試料気化室が複数ある場合,気化室毎に上限値を設定する必要があります。
 
 

Q: フィラメント,イオン源,検出器,ターボ分子ポンプオイルの使用時間の上限値を変更したい(お問い合わせ番号0207)
A: 分析するサンプルの種類や分析方法などで消耗品の消耗度合いは変わってきます。 したがって,フィラメント,イオン源,検出器,ターボ分子ポンプオイルの使用時間の上限値を変更する場合があります。
1. <環境設定画面を表示>
[GCMS分析]ウィンドウの[分析]アシスタントバーから[環境設定]アイコンをクリックします。
[環境設定]画面の[分析に使用するユニット]の[MS]をダブルクリックしてください。
2. <使用時間の上限値の変更>
[分析ライン1のユニット]画面の[MS]タブをクリックしMSの環境設定画面にします。 [基準値設定]ボタンをクリックし,[基準値設定]画面を開きます。

[環境設定]画面
消耗品交換の目安の[フィラメント]や[イオン源]などに使用時間の上限値を変更します。 [規定値]ボタンをクリックすると,初期値がエディットボックスに入ります。初期値としてメーカー推奨値(保証値ではありません)が入っていますが,分析に要求される精度やコストなどを考慮して,適宜変更することができます。
設定後,[OK]ボタンで画面を閉じます。 環境設定画面も閉じます。

〔基準値設定〕画面
注:ターボ分子ポンプオイルは,ターボ分子ポンプが「300(PF)」(ファイファー製真空ポンプ)のときだけ表示されます。
 

Q: オーブン温度,インターフェース温度の上限値を変更したい(お問い合わせ番号0208)
A: カラムオーブンの上限温度を設定することができます。カラムオーブンの上限温度の設定範囲は,0~470℃です。
 カラムを保護するため,環境設定の「GC装置の上限温度」設定値より「カラムの使用温度上限値」の低い場合,設定温度の上限値は「カラムの使用温度上限値」となります。
1. <環境設定画面を表示>
[GCMS分析]ウィンドウ左側の[分析]アシスタントバーから[環境設定]アイコンをクリックします。
[環境設定]画面の[分析に使用するユニット]の[GC-2010]をダブルクリックしてください。
2. <カラムオーブン温度の上限値の設定>
[GC-2010]画面が開くので,[全般]タブをクリックします。
[オーブン温度の上限値]にカラムオーブンの上限温度を設定します(入力できる設定範囲は,0~470℃)。 設定後,[OK]ボタンで画面を閉じます。

[環境設定]画面
3. <インターフェース温度の上限値の設定>
[環境設定]画面の[分析に使用するユニット]の[MS]をダブルクリックしてください。 [分析ライン1のユニット]画面の[MS]タブをクリックしMSの環境設定画面にします。 [上限温度]にインターフェースの上限温度を設定します(入力できる設定範囲は,0~470℃)。
設定後,[OK]ボタンで画面を閉じます。 環境設定画面も閉じます。

[環境設定]画面