GCMS-QP2020 NX

ガスクロマトグラフ質量分析計

Smart Performance - 高感度化とオペレーションコスト低減を両立 -

新しい差動排気型ターボ分子ポンプと高性能フローコントローラにより,GCで利用されるあらゆる条件で最高の感度を実現します。ヘリウム以外の水素や窒素キャリアガスも安心して運用でき,オペレーションコストを低減することが可能です。また,高感度高速分析による分析時間の短縮など,ラボの生産性の最大化に貢献します。

高感度化を実現するテクノロジー

高感度・高安定イオン源

フィラメントとイオン源ボックスの間に距離を取り,フィラメント電位のイオン源内部への影響を低減しました。また,フィラメントから生じる輻射熱をシールドで遮り,イオン源ボックスの温度均一化を実現しました。イオン源内部に活性点が生じにくいため,高感度かつ長期にわたり安定した分析が可能になりました。(特許:US7939810)

卓越した再現性を実現する流量制御

CPUを搭載した新しいフローコントローラ(AFC)を開発しました。キャリアガス制御は、従来の定線速度、定圧力に加え、定流量での制御に対応しました。
スプリットラインのフィルターは工具レスで交換可能。内部の汚れは目視で確認でき、交換のタイミングを逃しません。

大容量差動排気システム

排気効率を高めた新型ターボ分子ポンプの採用により,ヘリウムを含め,水素や窒素をキャリアガスとして利用した場合の性能を高めました。また,イオン源部と四重極部を別々に真空に引く差動排気方式により,あらゆるキャリアガスの条件下で最適なMS状態を実現します。

ClickTekナット

ワンタッチで試料注入口を開閉

工具を使わず、指でレバーをひねるだけで試料注入口を開閉できる「ClickTek™ ナット」を標準装備しています。
インサート交換作業の手間を軽減します。

高速スキャン制御技術(Advanced Scanning Speed Protocol:ASSP™)

高速データ採取時のロッドバイアス電圧を自動的に最適化し,10,000 u/sec以上の高速スキャンでの感度低下を最小限にしました。従来装置と比べて5倍以上の感度が得られ,特にFast-GC/MSでの高速分析,スキャンとSIMを同時に測定するFASST分析において,スキャンデータでの感度向上,良好なマススペクトルの取得に有効です。
(特許:US6610979)

進化したGCオーブン

温調制御の向上により、さらなる精密なGCオーブンの温度制御が可能になりました。また、オーブンの降温速度を3段階で設定できるようになり、カラム液相へのダメージを抑え、ライフタイムを最大化します。

Benzo[a]pyreneのマスクロマトグラム (8回繰り返し測定の重ね描き)

Benzo[a]pyreneのマスクロマトグラム
(8回繰り返し測定の重ね描き)

多環芳香族炭化水素(PAHs)の繰り返し再現性

多環芳香族炭化水素(PAHs)の繰り返し再現性

代替キャリアガスによるオペレーションコスト低減

水素や窒素はヘリウムと比較して安価であり,入手がしやすいことから代替キャリアガスとして注目されています。高性能の新型アドバンストフローコントローラ(AFC)は,水素や窒素においても正確に制御します。また,新型大容量差動排気システムは,水素や窒素をキャリアガスとして利用した場合の排気性能を高めており,あらゆるキャリアガスの条件下で最適なMS状態を実現します。

水素キャリアガスの適用例

水素や窒素は感度的にはヘリウムに劣りますが,内径の細い,長さの短いカラムを使用することで,ヘリウムを利用した場合とほぼ同等のクロマトグラムパターンが得られます。Restek社から提供されているメソッド変換プログラム「EZGC® Method Translator*」は,使用されているヘリウムでの分析条件を,最適な代替キャリアガスへの分析条件に変換することができます。

農薬のマスクロマトグラム(5 ng/mL,SIMモード)

従来利用されていた分析条件を水素キャリアガスに変換しても,保持指標はほとんど変わりません。当社が提供しているデータベースや保持指標が登録されたマススペクトルライブラリもご利用いただけます。

EZGC Method Translator

* 詳細はRestek Corporationの
Webサイト
を参照ください。

水素センサがGCオーブン内を
モニタリング

水素利用の安全性を確保する水素センサ​

GCに内蔵できる水素センサ(オプション)を準備しています。潜在的なリークを早期に発見し,事故を未然に防ぎます。また,本体に自動のキャリアガス漏れチェック機能を持ち,水素キャリアガスの使用を強力にサポートします。

窒素キャリアガスの適用例​

キャリアガスとして利用するヘリウムは,装置のオペレーションコストで大きなウエイトを占めます。
窒素はヘリウムと比較して約10倍安価なガスであることから,窒素をキャリアガスとして利用することでオペレーションコストの大幅な削減を見込めます。

DINPのSIMマスクロマトグラム
(0.5 µg/mL,7回繰り返し分析の重ね描き)
上段:ヘリウムキャリアガス(99.99%,ガス精製フィルタつき)
下段:窒素キャリアガス(99.99%,ガス精製フィルタつき)

各種キャリアガスの測定範囲目安(オンカラム量)
測定範囲はあくまでも目安となり,対象化合物の感度や化合物特性によって不向きな場合もあります。

ヘリウムをキャリアガスとして利用されていた分析条件を窒素キャリアガスに変換しても,同様のクロマトグラムパターンとマススペクトルが得られます。高分子材料の発生ガス分析などの定性分析目的に応用できます。

Py-GC/MSを用いた電子基板の瞬間熱分解分析例(マススペクトルはビスフェノールAを示す)
上段:ヘリウムキャリアガス(99.99%,ガス精製フィルタつき)
下段:窒素キャリアガス(99.99%,ガス精製フィルタつき)

Smart Performance - 定性解析に必要なあらゆる情報を簡単に取得 -

定性能力の高いGC/MSは,豊富なフラグメント情報が得られることから未知の化合物を同定するための手段として利用されています。化合物同定の手段としてマススペクトルライブラリが一般的に利用されますが,類似構造が多数存在する化合物やマススペクトルライブラリに登録されていない場合,化合物同定に経験を要します。
GCMS-QP2020 NXは,マススペクトルに加えて3種類の付加価値のある化合物情報を組み合わせて利用することができ,精度の高い定性解析を支援します。

付加価値の高い保持指標が登録されたデータベース

食品,化学,香料,法医学,代謝成分分析など,さまざまなアプリケーション分野に特化した保持指標付きデータベースをご用意しています。マススペクトルに加えて,化合物特異性の高い保持指標を組み合わせて検索することにより,異性体や類似した構造を持つ化合物を正確に同定します。

その他のマススペクトルライブラリ

  • NISTライブラリ
    一般化合物306,622件のスペクトルを登録
  • Wileyライブラリ
    一般化合物775,500件のスペクトルを登録
  • MPW DRUGライブラリ
    薬物,毒物,農薬,環境汚染物質用(10,430化合物)

最大10個のライブラリファイルを設定できます。NISTやWileyといったパブリックライブラリに加えて,多種のライブラリファイルも設定することができます。

EIとCI法を簡単に切り換えるSmart EI/CIイオン源

Smart EI/CIイオン源は,汎用的に利用されるEIの感度を損なわずに,イオン源を交換せずにCIのデータを採取できることを目的として新たに開発したイオン源です。
EI法ではマススペクトルライブラリを用いた同定が困難な場合でも,CI法のデータから分子量情報を取得することができ,未知の化合物の推定に役立ちます。

包装容器抽出物の分析例 (20%エタノールで抽出)

EIのマススペクトルとCIの分子量情報から酸化防止剤として使用されるトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイトと推測されました。

計算精密質量を利用した組成推定

MassWorksソフトウェアは,四重極MSの質量プロファイルから計算精密質量を算出し,同位体比と計算精密質量から候補となる組成式を出力します。マススペクトルライブラリに登録されていない化合物の組成推定に役立つソフトウェアです。GC/MSデータで大部分の検出化合物をマススペクトルライブラリで同定し,同定できなかった化合物をMassWorksを利用した組成推定を行うことで,さらなる定性解析の質を向上します。

樹脂中添加剤の分析例

候補組成式とマススペクトルパターンからアジピン酸ジエチルヘキシル(C22H42O4)と推定

Smart Productivity - タイムマネジメント機能による効率的な運用 -

分析の汎用機となっているGC-MSは、1台でさまざまな用途の分析に利用されています。アクティブタイムマネジメントは、メンテナンスやシステム切り替えなどにかかる時間や複数ユーザーで利用される際に発生する待機時間を適切に管理します。装置の待機時間を低減して稼働時間(アクティブタイム)を伸ばすことにより、さらなる効率的な運用を図れます。  

待機時間を正確に把握するアクティブタイムマネジメント

装置の起動停止・試料注入口のメンテナンス・連続分析にかかる時間をリアルタイムで表示します。正確な待ち時間を把握することができ,装置の待機時間を最小限に抑えられます。 

複数のアプリケーションを効率化するTwin Line MSシステム

2本の異なるカラムの出口側をMSに同時に取り付けることで、MSの真空を停止することなく異なるカラムでのアプリケーションデータ採取が可能となります。抵抗管を利用しないため、1本のカラムで使用していたメソッドや保持時間をそのまま利用可能です。

微極性カラムと中極性カラムによる香料成分の分析

Smart Operation - 多成分一斉分析の効率を飛躍的に向上 -

メソッド作成を簡便・自動化する「Smart SIM」とデータ解析にかかる時間を大幅に短縮する「LabSolutions Insight™」ソフトウェアが,多成分一斉分析の作業効率を飛躍的に向上させます。また,分野に特化したデータベースを提供しており,あらゆる分野の定量分析に対して,最適な分析条件で信頼性の高い結果を得られます。

多成分一斉分析をより簡便にするSmart SIM™

自動メソッド作成機能「Smart SIM」が,保持時間に合わせたSIMプログラムを自動設定します。化合物数が多く,複数メソッドに分割していたケースでも,感度を維持したままメソッドを集約することができます。分析回数,測定時間を大きく削減することができ,生産性を向上させます。

現在ご利用の当社GC/MSのメソッドに登録されている化合物情報は,ファイルを選択するだけで簡単にデータベースに登録することが可能です。

グループ測定法に比べ,高感度かつ高精度な分析を可能にします。434成分の一斉分析において,微量域まで良好な再現性と検量線が得られ定量性が向上しています。

LabSolutions Insight

LabSolutions Insight

LabSolutions Insightは,多検体データの解析スループットを向上するための機能を搭載した,定量支援ソフトウェアです。
微量成分の多成分一斉分析におけるデータ解析の信頼性を向上させます。

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