MDGC/GCMS-2010シリーズ

マルチディメンジョナルGC/GCMSシステム

MDGC/GCMS-2010シリーズでの測定例をご紹介します。

 

石油分析 -ガソリン中含酸素成分の一斉分析-

 ガソリンは多くの炭化水素のピークが溶出するため,近年添加されるようになったアルコールなどの含酸素化合物をGC-FIDで完全分離するのは困難です。 MDGC分析により分離を改善することで従来はFIDでは分離定量が困難であった成分の分析が可能になります。

ASTM D 4815-99*に記載される13成分を対象とした分析例

1stGCのクロマトグラム
赤字で示した成分の分離が不十分


レギュラーガソリン+含酸素成分

ピンク
レギュラーガソリンのみ
(含酸素成分なし)

2ndGCのクロマトグラム
分離が大幅に改善


レギュラーガソリン+含酸素成分

ピンク
レギュラーガソリンのみ
(含酸素成分なし)

* Standard Test Method for Determination of MTBE,ETBE,TAME,DIPE, tertialy-Amyl Alchhol and C1 to C4 Alcohols in Gasoline by Gas Chromatography

香料分析 -精油中香気成分の一斉分析-

 マトリックスを多く含む場合が多い香気分析は,MDGC分析が有効な分野のひとつです。 無極性カラムと極性カラムの組み合わせで香気成分と夾雑成分の分離が可能になります。 また,高沸点の脂肪酸エステル類が極性カラムに導入されないため分析時間が短くなります。

オーデコロンの分析例

1stGCのクロマトグラム

上段
スタンバイモード

下段
カットモード

2ndGCMSのクロマトグラム

1 Limonene
2 Linalool
3 Ethyl Linalool
4 Citnellol Acetate
5 Nerol
6 Cashmeran

環境分析 -河川水中のカビ臭原因物質の分離定量-

 水中のカビ臭原因物質の測定は濃度が低く,マトリックスも多いためGCMSを用いても定量結果の誤差が大きくなることがあります。

1stGCのクロマトグラム

m/z95のピークが夾雑成分との分離が不十分

2ndGCMSのクロマトグラム

2-MIBのピークを完全に分離できています

香料分析 -精油中の光学的異性体-

精油(エッセンシャルオイル)は,植物から採取される強い匂いの揮発性油で,香水やアロマセラピーなどに用いられます。精油中には,多くの光学的異性体*を含んでおり,光学的異性体は匂いに関する性質が異なる場合が多いといわれています。
ここでは,マルチディメンジョナルGCシステムによる柑橘系精油であるベルガモットオイル中の光学的異性体の分離分析例をご紹介します。

1stカラムによる分離

Fig.1

2ndカラムによる分離

Fig.2

この分析例では,1stカラムに微極性キャピラリカラム,2ndカラムに光学的異性体の分離可能なキャピラリカラムを用いています。 Fig.1は1stカラムのみで分析したクロマトグラム(ハートカット無し)で,8種類の光学的異性体が確認されています。 Fig.2は,更に8種類の光学的異性体をハートカットし,2ndカラムに導入したクロマトグラムです。 Pinene(ピネン)以外の7種類の光学的異性体が2ndカラムで良好に分離できていることが判ります。 一般的には,ピーク7の(+)-limonene(d-リモネン)は,柑橘系特有の匂いに関連する成分として知られています。
また,各光学的異性体のピーク面積より,各光学的異性体の比率を知ることができ,天然物に近い匂いを他の合成法で再現する時の参考情報となります。

* 光学的異性体
同じ化学式を持つが構造が異なり,その立体的な配置が対掌関係(手のひらの右と左の関係)化合物をいいます。 光学的性質,匂いなどに違いがあります。

本アプリケーションデータは,Mondello先生(Messina大学,Chromareleont S.r.l.)のグループにより取得したものです。

Application data by Universita degli Studio di Messina
Prof. Luigi Mondello
Alessandro Casilli
Peter Quinto Tranchida

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