節電に対する取り組みのご提案

ガスクロマトグラフ分析では、オーブンの温度の昇温や冷却の繰り返しで、多くの電力を使用します。近年は、電力需要の逼迫による節電要請や電気代の高騰が続いており、日々の分析業務における節電対策は喫緊の課題です。
ここでは、日常の分析業務に簡単に適用できる節電方法をご紹介します。

 
 

運用の工夫で節電

タイムスケジューラ機能を使って分析後に装置を自動停止する方法や、リモート操作により装置の空き時間を少なくする方法などをご紹介します。

装置への工夫で節電

装置の熱容量を小さくしたり、排熱を外部に排出するためのオプションをご紹介します。また、1度に2検体の分析ができるデュアルラインについてもご紹介します。

 

節電対策の効果

何も節電対策を行わない時の電力使用量を100として、上記の節電対策を実施した場合の節電効果をグラフにしました。複数の対策を組み合わせることで、より多くの節電効果を得られます。

 

※グラフは、1検体30分の分析を1日20検体行った場合の下記の条件での比較を示しています。詳しい条件など詳細は、「節電効果の算出方法について」をご参照ください。

節電対策 分析時間(H) 待機時間(H) スリープ時間(H) 節電効果
何も行わない 10 14  
スケジュール設定 10 4 10 44 %
スケジュール設定
オーブンインサート
10 4 10 47 %
スケジュール設定
​オーブンインサート
デュアルライン
5 3 16 71 %

節電方法 その1 スケジュール設定でこまめに装置制御を停止

ガスクロマトグラフは、待機状態でも試料注入口や検出器、カラムオーブンの温度を一定に維持しており、常に電力を消費しています。この待機状態の消費電力を削減するために、夜間や休日などしばらく装置を使わない時は装置を停止することをお勧めします。

当社のガスクロマトグラフには、装置の温度やガスの制御を自動的に停止・起動する機能が備わっています。この機能を使用することで、容易に節電を実施できます。例えば、夜間に装置を自動停止させた場合も、翌日の装置立ち上げ作業を自動で行ってくれるため、スムーズに分析を開始できます。また、ガスの制御も同時で自動停止・起動できるため、ヘリウムガス供給不足への対策にも有効です。さらに、最新モデルのNexis GC-2030には「スリープモード」機能が備わっており、装置制御を完全に停止することができます。

 

「自動停止・自動起動機能」で装置を自動停止、自動起動する時間を設定

夜間、無人の状態で装置をシャットダウンし、翌日には装置の立ち上げ、ガス供給作業、オーブン温度や検出器の安定化まで行います。

自動停止・自動起動機能

※自動停止中はガスクロマトグラフの電源はONの状態ですが、温度やガスの制御は停止します。PCとの通信は自動停止中も持続します。

 
 

その他のスケジュール設定の例

連続分析後に、自動停止を設定

オートサンプラを利用した連続分析の終了後に自動停止を設定することで、効率的に装置を停止させることができます。

 
 

自動停止、自動起動を実施する曜日を設定

設定は曜日別に行うこともできますので、日曜など固定の休日には予め設定しておくことをお勧めします。

 

節電方法 その2 リモート操作でガスクロマトグラフを停止、起動

LabSolutions Directは、LabSolutions LC/GCに標準で搭載されている機能でスマートデバイスやパソコンのウェブブラウザから装置の遠隔操作/遠隔モニタリングが可能です。分析室から離れた環境下でも装置の状態を確認しながら分析を行うことができます。
この機能を使用して分析作業を効率的に行う方法をご紹介します。

例えば、連続分析後の翌日に在宅勤務を予定されているお客様は、既に採取されたデータ(例えば以下の図の装置A、B)を確認し、結果に問題が無く次の分析予定が無い場合には、装置をリモートで停止することができます。あるいは出勤されている方に連絡し、次の分析に利用してもらうことで待機時間を最小限におさえることができます。

節電方法 その3 オーブンインサートの利用

カラムの温度を制御するオーブンはガスクロマトグラフの中でも最も電力を消費する部分ですが、スペースを小さくすることで消費電力を節約することができます。Nexis GC-2030用オプションの「オーブンインサート」はオーブン容積を低減し、写真のようにオーブン内に挿入するだけで5~10 %の電力を削減することができます。

※Nexis GC-2030のみ。

 

節電方法 その4 ダクトからの高温排気の排出

ガスクロマトグラフの分析では、カラムオーブンの温度を昇温することで効率的な分離分析を行いますが、分析終了後は初期温度に戻すために、高温になったオーブン内の空気を外部に排出します。この時に排出される空気を直接ダクトにつないで、分析室内に直接排出しないようにできます。特に、夏場のエアコンがフル稼働する季節には有効な方法で、欧州など海外ではよく導入されています。

※Nexis GC-2030のみ。

節電方法 その5 デュアルライン構成の利用

1回の昇温分析で2つの試料を同時に分析できるデュアルライン分析は、分析効率を高めるだけでなく、大きな節電効果があります。省スペースでデュアル分析のレイアウトが構成できるオートサンプラ AOC-30シリーズでは、30検体までの連続分析が可能で、30回の昇温分析で最大60検体の分析を実施できます。大量の試料の分析が必要で、時短、節電などが要求されるお客様にお勧めです。
 

AOC-30シリーズ 

 
 

節電効果の算出方法について 

節電対策の効果は、以下のGCの運用条件での試験結果をもとに評価しました。ご利用のGC条件などにより節電対策の効果は異なります。 

GC
GC-2030
注入口、FID検出器: 350 ℃
GCオーブン   :40 ℃ → 15 ℃/minで昇温 → 320 ℃で10分保持 

運用条件 

  月~金曜日 土、日曜日
通常運転時
10:00 分析開始
20:00 分析終了(20検体試料を分析)
20:00 以降待機状態
待機状態
スケジュール設定による運転時
 8:30  自動起動(ガス制御開始→温度制御開始)
10:00 分析開始
20:00 分析終了(20検体試料を分析)
21:30 自動停止(温度制御停止→ガス制御停止)スタンバイ状態
スタンバイ状態
スケジュール設定による運転時
(デュアルライン分析)
 8:30  自動起動(ガス制御開始→温度制御開始)
10:00 分析開始
15:00 分析終了(20検体試料を分析)
16:30 自動停止(温度制御停止→ガス制御停止)スタンバイ状態
スタンバイ状態

※本ページでご紹介している節電効果の比較は、当社内での評価により算出したものです。GCに搭載されているオプションや動作環境等により数値は異なります。
 また、GC-2014とGC-2025にはスリープ機能はありませんが、スリープ機能同様にGCの温度制御をOFFにする機能が搭載されています(節電効果はGC-2030よりも少なくなります)。
※タイムスケジューラによる自動起動やスタンバイ(GC-2014とGC-2025は温度制御OFF)の設定方法は取扱説明書をご参照ください。
※ヘッドスペースサンプラー HS-10/HS-20を使用している場合は、分析データシステムLabsolutionsのスタートアップ・シャットダウン機能を用いての節電が可能です。
 サーマルデソープションシステム TD-30やその他の周辺装置は、スタートアップ・シャットダウン機能は非対応となります。

 

GC-MSの節電対策

GC-MSの場合は、MSの排気装置を起動したままGCの温度制御を停止状態にする「エコロジーモード」をお使いいただけます。
※本ページでご紹介しているスケジュール設定は、非対応です。

詳しくはこちら 

 
 

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