FTIRのバリデーション(3):第十四改正日本薬局方,IQ/OQ

FTIRノウハウ・実務編

FTIR TALK LETTER vol.4(2005)

第十四改正日本薬局方第一追補での変更点

すでに,旧版の日本薬局方に基づいてバリデーションを行われている方もいらっしゃると思います。平成14年12月27日に公布された第十四改正日本薬局方第一追補では,表のように「分解」と「波数精度」が改正されました。特に波数精度では,誤解の多かった( )内の数値の定義がはっきりしました。

表 日本薬局方の改正点

項目 第十四改正日本薬局方 第十四改正日本薬局方 第一追補
分解 得られた吸収スペクトルの2870cm-1付近の極小と,2851cm-1付近の極大 における透過率(%)の差が,18%以上であること,および,1589cm-1付近の極小 と1583cm-1付近の極大 における透過率(%)の差が10%以上 であること。 得られた吸収スペクトルの2870cm-1付近の極小 と2850cm-1付近の極大 における透過率(%)の差が,18%以上であること,および,1589cm-1付近の極小と 1583cm-1付近の極大 における透過率(%)の差が12%以上 であること。
波数精度 波数目盛りは,通例,ポリスチレン膜の下記の吸収帯のうち,いくつかを用いて補正する。 なお,括弧内の数値はこれらの値が定められたときの正確さを表わす
3027.1 (±0.3)
2924 (±2)
2850.7 (±0.3)
1944 (±0.3)
1871.0 (±0.3)
1801.6 (±0.3)
1601.4 (±0.3)
 1583.1 (±0.3)
 1181.4 (±0.3)
 1154.3 (±0.3)
 1069.1 (±0.3)
 1028.0 (±0.3)
  906.7 (±0.3)
  698.9 (±0.5)
波数目盛りは,通例,ポリスチレン膜の下記の特性吸収波数(cm-1)のうち,いくつかを用いて補正する。 なお,( )内の数値はこれらの値の許容範囲を示す
3060.0 (±1.5) cm-1
2849.5 (±1.5) cm-1
1942.9 (±1.5) cm-1
1601.2 (±1.0) cm-1
 1583.0 (±1.0) cm-1
 1154.5 (±1.0) cm-1
 1028.3 (±1.0) cm-1

バリデーションと定期点検・運転時適格性評価 (Operational Qualification)

バリデーション,定期点検,運転時適格性評価(OQ)は同じ考え方のものです。いずれも,定期的に定められた手順でFTIR装置の点検・校正を行なう方法です。当社では,定期点検やOQにバリデーションプログラムを推奨しています。

ソフトウェアのバリデーション

改ざんチェックプログラムの実行

ハードウェアが正しく動作していることを点検することと同様に,ソフトウェアも正しく動作していることを検証する必要があります。しかし,FTIRのソフトウェアは大規模なものになってきていて,全ての機能をユーザーがテストデータのインプット/アウトプット等のブラックボックステストで検査することは不可能です。
ただし,ハードウェアと違って,ソフトウェアの場合には個々の製品の製造過程が製品の品質に及ぼす影響は少なく,ほとんど開発過程で製品品質が決定されます。
したがって,ユーザー側ではソフトウェアを構成するファイルが壊れたり,削除されたりしないことを改ざんチェックプログラムを用いて確認するとともに,セキュリティ機能や基本データ解析機能などの主要な機能が正常に動作することを検証します。
一方で,ソフトウェアが正しく開発されているかは,開発時のコンピュータバリデーションが適切に実施されていることで検証します。

参考

日本工業規格(JIS) http://www.jisc.go.jp/
ASTM http://www.astm.org
日本薬局方 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/yakkyoku/
ヨーロッパ薬局方 http://www.pheur.org/
アメリカ薬局方 http://www.usp.org/
NIST http://www.nist.gov/




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