赤外顕微分析においてダイヤモンドセルを使用する際の留意点を教えてください。

FTIR分析Q&A

FTIR TALK LETTER vol.19 (2012)

A: 図1に示すダイヤモンドセルは,赤外透過用窓板の一種で,厚みのある試料や微小試料を2枚のセルの間に挟み,薄く圧縮して試料を適切な厚さに調整する加圧セルです。

 実体顕微鏡下でニードルやピンセット,カッターなどで対象試料の取り出しが可能な場合,ダイヤモンドセルは非常に便利なツールです。
 以下に測定手順とその留意点を示します。(図2参照)

(1)まず,サンプリングの際には,適切な大きさの試料をダイヤモンド窓板(以下,窓板)の中央付近にのせます。周辺部と比べて中央部は赤外光の光量が大きいため,ノイズの少ないデータとなります。また窓板全体に試料をのせてしまうとバックグラウンド測定を行う場所がなくなるため,試料のない場所も確保してください。

(2)次に,もう一枚のディスクを上から重ね,3つのネジを締め付けながら試料を圧延してください。ネジの締め付けは窓板の破損を防ぐため,手で行ってください。

図1 ダイヤモンドセルの外観
図1 ダイヤモンドセルの外観

(3)最後に,ネジをはずした後上側のディスクをとりはずします。このとき,試料がどちらのディスクにあるか確認してください。上側のディスクに試料がはり付いている場合もあります。試料のある方のディスクを設置して測定を行ってください。窓板を二枚重ねのまま測定すると試料との屈折率差の関係で非常に干渉縞が出やすくなります。

 試料によっては十分な厚さに圧延できずに吸収ピークが飽和したり,試料が窓板全体に広がってしまうことがあります。 この際,再度サンプリングしなおす必要がありますが,窓板上の試料にそのままプリズムをあててATR測定すると良好な結果が得られる場合もあります。ただし,測定の際にプリズムや窓板を傷める可能性があるため十分注意してください。

図2ダイヤモンドセルの断面図[A-B面]
図2ダイヤモンドセルの断面図[A-B面]

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