食品異物分析システム

最近,ファーストフードやインスタント食品など,食品に異物が混入する苦情件数は多数に上っています。混入異物の原因物質としては,ゴムや金属パッキン,各種シール材,作業員の身体の一部や衣類など多岐にわたっています。
これらの苦情に対しては,より迅速に異物の原因物質を究明することが消費者に対して安心を与えることになります。
FTIR/EDX食品異物分析システムは,赤外分光分析や蛍光X線分析,両手法を盛り込んだ総合検索システムです。
特長
● 水道事業体および食品メーカーのご協力を得て作成した島津製作所独自のライブラリ
● 実際に異物として捕集された試料に関する情報を収録
● 赤外スペクトルのライブラリに加えて蛍光X線プロファイルを収録(PDFファイル)し,異物の検索精度を大幅アップ
有効分野
● 食品/飲料水メーカー ● 受託分析業
● 食品分析機関 ● 水道事業体 など
システム内容

● 赤外スペクトルライブラリ
使用可能装置: 島津FTIRシリーズ
測定方法 : 1回反射ATR法(プリズム:Geまたはダイヤモンド/ZnSe)
スペクトル数 : 485スペクトル
収録情報 : 材質名,色,形状,硬さ など
プリズムの使い分け
Ge | 屈折率の高い試料(黒いゴムなど)も測定できる。 ダイヤモンド/ZnSeに比べて吸収ピークが小さくなる。 |
ダイヤモンド/ZnSe | Geに比べて,傷つきにくく,吸収ピークが大きくなる。 屈折率の高い試料(黒いゴムなど)は測定できない。 |

● 蛍光X線プロファイルライブラリ
使用可能装置 : 島津EDXシリーズ※
プロファイル数 : 485プロファイル
収録情報 : 定性結果およびFP法による定量結果
(主成分についてはFTIRによる定性結果を使用)
※装置の検出元素範囲によって使用できるデータ数が異なります。
冷凍ピザに付着した異物の分析例
冷凍ピザ表面に付着した異物を,赤外分光光度計(FTIR)と蛍光X 線分析装置(EDX)を用いて分析した結果をご紹介します。
■ FTIRでの分析結果

異物(1)の赤外スペクトルを測定し,異物ライブラリを使って検索しました。
フッ素化合物は工業製品であり,調理器具などにも使われるもので,明らかに外部からの混入物であると思われます。
■EDXでの分析結果

異物部分からはFe,Cr,Niが主成分として検出され,定量結果も考慮すると,異物はステンレス(SUS)と推定されます。その他Al,Si,Ca,Baが検出されていますので,セラミックス系や顔料を含む材料も混在している可能性が考えられます。
Fe | Cr | Ni | Si | Ca | Al | Ba | Mn |
59.42 | 12.07 | 8.97 | 8.91 | 4.69 | 3.55 | 1.72 | 0.79 |
FTIR/EDXを用いた食品分野での異物分析例(会員制サイト) アプリケーションニュース A414「食品中の異物分析」(ログイン要*) アプリケーションニュース X234「EDXによる食品中の異物分析」(ログイン要*) *ご覧いただくには,ログイン(会員登録)が必要です。
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