Aggregates Sizer TC
バイオ医薬品凝集性評価システム (温調機能付)
バイオ医薬品凝集性評価システムAggregates Sizerに温調セルユニットが追加されました。
これにより,通常の測定より,時間がかかる回分セルの攪拌機能を用いた機械的ストレス試験でも温度による凝集体生成の影響なく測定することができます。また,マイクロセルについては,従来の400 μLから125 μLに変更し,サンプルの微量化も実現しました。
特長1:凝集体生成の過程をタイムリーに把握できる -連続測定機能の改良-
連続測定機能では,測定間隔を30秒から設定可能で最大200データの連続(経時変化)測定が可能です。
また,測定中は,経過時間・残り時間を表示するだけでなく,現在測定中の粒子径分布をリアルタイム表示をしたり,測定済データを併せてデータ処理ができるため,凝集体生成の過程がタイムリーに把握できます。

標準付属の循環恒温槽を用いて温度範囲20〜42℃(温度精度:±1℃)を一定温度でPC制御することが可能になりました。
これにより,温度による凝集体生成の影響なく,一定温度条件下で凝集体評価を行うことができます。
<実施例:タンパク質溶液に対するポリソルベート添加の有無における凝集体生成の比較>

ポリソルベート添加なし
【サンプル】 ウシ由来 γ-グロブリン
【溶液】 リン酸バッファ(pH7.4, NaCl 150 mM)+(ポリソルベート20)
【サンプル濃度】 1 mg/mL
【条件】 ステンレス撹拌棒による撹拌(5分間隔で40分間:25℃一定)

ポリソルベート添加
特長2:セル容量を125 μL(従来比1/4)に削減しました

測定に影響しない領域を出来るだけ排除することにより,サンプル必要量を従来の400 μLから125μLに低容量化しました。また,マイクロセルの材質を全て石英ガラスに変更したことにより,薬剤(アルカリ)洗浄や超音波洗浄が可能です。
特長3:必要な情報がすぐに得られるソフトウエア機能の追加

個数濃度(個/mL)での表示
従来表示していた質量濃度表示(μg/mL)に加え,個数濃度(個/mL)も表示できるようになりました。
任意の粒子径区間での凝集量評価
これまでご使用中の手法(粒子カウンターなど)に合わせた粒子区間表示が可能です。さらに,今後決定されると予想される規格や規制に対応した粒子径区間での粒子量の評価も可能です。
仕様
Aggregates Sizer 温調機能付 | |
回分セルユニット(温調機能付) | |
セル材質 | 石英ガラス,PTFE(ロート/キャップ) |
必要液量 | 約5mL |
撹拌機構 | 撹拌用プレートの上下運動による |
撹拌プレート材質注) | ステンレス,ガラス,PEEK |
マイクロセルユニット(温調機能付) | |
セル材質 | 石英ガラス,PTFE(キャップ) |
必要液量 | 125μL |
温度範囲 | 20 ~ 42℃ 一定温度 |
温調精度 | ±1℃ |
使用環境 | 温度:10 ~ 30℃,湿度:20 ~ 80% |
循環恒温槽 | |
メーカー | Julabo製 |
型名 | F25-ME |
PC制御 | RS232C接続 |
大きさ・重さ | W230mm×D420mm×H610mm,31kg |
所要電源 | AC100V,13A,50/60Hz |
注) 回分セルの撹拌プレートはバイオ医薬品製造・保管などでよく使用される材質3種類(ステンレス, ガラス, PEEK)すべてを標準装備しています。