医薬品残留溶媒試験で検出される不純物の定性 / GCMS

医薬品残留溶媒試験で検出される不純物の定性 / GCMS

USP467と同様の分析条件で,GC/MSによる不純物確認が可能!

現在,医薬品残留溶媒試験にはHS-GC-FID法が採用されていますが,試験中に対象溶媒以外の不明ピークが表れることがあります。その不明ピークの定性にはGC/MSが有効です。
しかし, 従来はGC/MSを用いる場合,医薬品残留溶媒試験として用いられる米国薬局方(USP467)に示されている分析条件では分析できず,分析条件を変更する必要がありました。

島津ガスクロマトグラフ質量分析計 GCMS-QP2020/QP2010 Ultraでは,差動排気システムを採用し真空性能が高いため,従来難しかったワイドボアカラム(0.53mm)によるGC/MS分析が可能となります。
また,最適なサイズの抵抗管をカラム出口に接続することで,USP467に示される分析条件と同じカラム線速度でGC/MS分析することができるので,GCによる残留溶媒試験結果とGC-MSでのクロマトグラムを近似させることができ,不明ピークを効率よく定性することができます。
さらに,ヘッドスペース部にはTrap機能を有する島津ヘッドスペースサンプラーHS-20を使用することで,微小ピークのマススペクトルの抽出にも効果を発揮します。

ここでは,HS-20とGCMS-QP2020/QP2010 Ultraの組合せのヘッドスペース分析システムにより,Class2 Residual Solvents Standard Solutionの分析と不純物の確認を行った例を示します。

(1)内径0.53 mm x 30 mカラムでの分析例

内径0.53mm x 30mのカラムを用いてClass2 Residual Solvents Standard Solution(WATER-SOLUBLE ARTICLES)を測定した結果を,別途GC-FIDで測定した結果と比較したものをFig1に示しました。内径0.53mm x 30mのカラムでは,カラム出口が負の圧力となるため,Procedure Aで規定されている流量設定ができません。ここでは,内径0.18 mm x 82 mmの抵抗管をカラム出口に接続することで線速度をProcedure Aで規定されている35 cm/sにして,GC-FIDに近似したクロマトグラムパターンを得ることができました。このとき,GC-MSでのカラム流量は計算上4.86 mL/minとなりますが,高い真空性能を有するGCMS-QP2020/QP2010Ultraでは問題なく測定ができます。

Fig.1 クロマトグラム比較(内径0.53mm,Class2A)

Fig.1 クロマトグラム比較(内径0.53mm,Class2A)

(2)不純物分析例

内径0.53mm x 30mのカラムによる市販医薬品原薬のTEST SOLUTIONを測定した例をFig2に示しました。FID,MSともに,Class 1,2A,2B の各Standard Solutionに含まれていないピーク((1),(2))が確認されました。そのマススペクトルから,それぞれClass 3の対象成分であるn-Butanol,Butylacetate と推定することができました。Trap(5回抽出)注入をした場合,ループのFIDやGCMS分析ではほとんど検出できなかったピークAも高感度に検出でき,Ethyl Acetateと同定することができました(Fig3)。このように,HS-20とGCMS-QP2020/QP2010 Ultraを医薬品残留溶媒試験に活用すると,不明ピークの分析を簡便に行えることがわかります。

Fig. 2  Test Solutionのクロマトグラム

Fig. 2 Test Solutionのクロマトグラム

Fig. 3 ピークAのマススペクトル

Fig. 3 ピークAのマススペクトル

詳細は,GC-MS Application Datasheet No.90「医薬品残留溶媒試験における不純物のGC-MS分析」をご覧ください。

GCMS-QP2020 NX

ガスクロマトグラフ質量分析計

医薬品残留溶媒試験にはHS-GC-FID法が採用されていますが,試験で検出される不明ピーク (不純物)の確認にはGC-MSが有用です。 HS-20とGCMS-QP2020 NX/QP2010 Ultraを医薬品残留溶媒試験に活用すると,不明ピークの分析が簡単になります。
 

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