細胞培養-医薬品

主に化学合成により製造される低分子医薬品に対して、バイオ医薬品は細胞を用いて製造されます。バイオ医薬品の原料となるタンパク質の産生量や安定性を向上するためには、宿主細胞の代謝を理解することが重要になります。培養液中の有機/無機成分の変動が抗体生産量や品質へ与える影響が注目されており、培養条件に加えて、培養液中のブドウ糖、グルタミン、核酸、ビタミン等の有機成分や銅や亜鉛等の補因子である無機成分の分析が重要と考えられます。

抗体生産細胞の代謝解析

抗体生産細胞の代謝解析のイメージ

昨今、宿主細胞の開発が盛んに行われており、その代謝を理解することは抗体生産の効率化に重要となります。培養液中の有機/無機成分は培養液中で相互作用しながらその動態に影響することも知られているため、培養液中の有機、無機成分の分析値の統合データ解析が代謝の理解に有効です。

糖・糖ヌクレオチド分析

LC/MS/MS メソッドパッケージ 糖・糖ヌクレオチドのイメージ

糖は動物細胞/微生物用培地の炭素源として広く用いられていますが、その生理活性は糖の種類によって大きく異なります。また、糖ヌクレオチドは生体内における活性型の糖で、糖鎖や糖脂質、ムコ多糖などの反応基質として働きます。

LC/MS/MSメソッドパッケージ「糖・糖ヌクレオチド」では、糖類、糖ヌクレオチド、関連化合物および補正物質について分析条件やMSパラメータが最適化され た分析メソッドが含まれており、前処理や分析法の検討を最小限に留めつつ、糖・糖ヌクレオチドの分析が可能です。

培養液中成分の分析

培養液中成分の分析のイメージ

細胞培養中の培地成分は、細胞から分泌される代謝物など様々な化合物から構成されるため、培地に含まれる有機成分の一斉分析や無機成分の分析結果は、より詳細にバイオプロセスを考察する上で有用な情報を与えることが期待されます。

培養上清分析の自動化

培養上清分析の自動化のイメージ

培養上清成分プロファイルの取得には作業者の負担が伴います。前処理に加え、最適化された一斉分析メソッドによる測定の自動化を実現したシステムが培養上清成分プロファイルの取得やマーカー探索をサポートします。