TOCによる有機不純物管理

TOCによる有機不純物管理

日本薬局方(JP)では,バルクの精製水(PW)と注射用水(WFI)および常水の純度試験に全有機体炭素(TOC)が規定されています。JPの一般試験法の有機体炭素試験法によると,使用するTOC計については,有機体炭素を0.05 mg/L以下まで測定可能であること,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液(0.806 mg/L)を炭素として0.450 mg/L以上検出できることが必要です。島津燃焼酸化式全有機体炭素計TOC-LCPH/CSHは,検出下限が4 µg/LでJPで要求される定量下限を余裕で満たしています。また燃焼酸化式の特長である高い酸化力を有していますので,不溶性有機物の検出も可能です。

JPの分解力試験に用いる0.806 mg/Lドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液は,炭素濃度が0.500 mg/Lになります。したがって,この溶液を測定したときに90%以上を検出する酸化分解力を有することが必要です。そこで炭素濃度0.500 mg/Lのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液を調製してTOC測定(TC-IC測定)を行いました。その測定データを図1に示します。分析計はあらかじめ炭素濃度0 mg/Lと1 mg/Lフタル酸水素カリウム水溶液で校正し検量線を作成しました。
炭素濃度0.500 mg/Lのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液を測定した結果,TOC値(=TC-IC)は0.498 mg/L(498 µg/L)で,検出率は99.6%となり,JPの装置条件を満たしています。

また0.05 mg/L以下まで測定できることを確認するため,TOC濃度が0.025 mg/Lのフタル酸水素カリウム水溶液を測定したデータを図2に示します。試料を調製した純水には不純物としてのTOC成分が含まれているため,測定結果は0.0407 mg/Lですが,変動係数(CV値)は2.42%でした。この結果は定量下限付近でのCV値とされる10%以内であることから,JPの装置条件を満たしています。

TOC-LCSH

有機体炭素試験計

米国薬局方(USP)のTOCシステム適合性試験(基準用試験液はスクロース溶液,システム適合性試験液は1,4-ベンゾキノン溶液)も満たしていますので,USPの製薬用水管理にも対応しています。 洗浄バリデーションには,固体試料燃焼装置と組み合わせてスワブ直接燃焼炭素 法で測定することができます。リンス法やスワブ溶媒抽出法では検出困難な「水 に不溶性の汚れ」も高感度で迅速に検出できます。

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