CNT FET のマッピング

CNTを用いたFET(電界効果型トランジスタ)は「CNT FET」と呼ばれており,実用化へ向けての研究が進んでいます。中でも電極間にネットワーク状に溶液分散架橋されたCNTを用いたFETはフレキシブル素子への応用が期待されます。電極と電極の空間をラマン測定すると,CNT特有のスペクトルが測定されることから,電極間にCNTが架橋されていることが分かります。
顕微ラマンによる架橋CNTのラマンスペクトルおよびラインマッピングの分析例をご紹介します。

幅50μmの電極間に架橋されたCNTを顕微ラマンを用いて測定し,G-band,RBMを検出しました。
また,電極間を左から右へ1μm間隔で50点のラインマッピングを行ないました。架橋されたCNTの存在分布が分かります。

 

図1:可視拡大像 と 電極間CNTのラマンスペクトル

 

図2:G-bandの分布状態 と RBMの分布状態

 

ラマンスペクトルの励起波長は,532nm。
(試料ご提供 大阪大学大学院 基礎工学研究科 白石先生)

 

 

ラマン

ラマン分光光度計

レーザー光を試料に照射し,試料からのラマン散乱光を受光してラマンスペクトルを求めます。ラマンスペクトルは分子の振動に基づくもので,ラマンスペクトルから物質の定性や構造に関する知見が得られます。