純度と耐熱性の評価

CNTは、空気中で加熱すると燃焼による質量減少を生じるため、その減少率よりCNTの純度を調べることができます。また、その分解温度によって耐熱性を評価することができ、CNTの生成条件の検討に利用されています。

熱分析装置 DTG-60は、質量変化とともにDTAの発熱ピーク温度、発熱量を同時に測定できアモルファスとCNTの比率を詳細に求めることが可能です。
図1はアーク放電法により得られた単層ナノチューブ(SWNT)の、熱重量測定(TG)曲線と、示差熱(DTA)曲線です。DTA曲線のもっとも大きな発熱ピークは683℃付近ですが、これはSWNTの燃焼をあらわしています。またDTA曲線 322℃のピークは、アモルファス炭素の燃焼と考えられますので、SWNTとアモルファス炭素の重量減少率(TG曲線より) から含有比率を求めることができます。
 

図1:アーク放電法によるSWNT の TG/DTA測定(装置:DTG-60)   (試料ご提供名城大学 理工学部 安藤研究室)

 

   DTG-60

熱分析装置 DTG-60

示差熱・熱重量(TG/DTA)同時測定に求められる基本性能の向上はもちろん、各種雰囲気ガスとの様々な応用にもフレキシブルに対応できるよう考慮しました。熱分析ワークステーション LabSolutions TAによるデータ収集・解析は、快適な測定を実現します。