MSのn乗による糖鎖構造解析

MSのn乗による糖鎖構造解析

糖ペプチドの分析例(MSの6乗までのデータを利用)

Asn結合糖鎖のMSn構造解析例についてご紹介致します。
MSスペクトルおよび分子イオンピーク[M+Na]+m/z1999.8)をプリカーサイオンとして得られたMS/MSスペクトルでは,Cross-ring cleavage により生じたO,2A6 ion(m/z1562.6)が最も強度の強いシグナルとして観測されました。しかしこの段階では,MS/MSでは検出されたプロダクトイオンが少なく,十分な糖鎖のシークエンス情報が得られませんでした。

Fig.1 MS and MS/MS spectra of 10BP

ここで,O,2An ion をプリカーサイオンとしてMSnスペクトルを得ると,[M-60]+2,4An ion )と[M-120]+(Bn-1 ion )に強いシグナルを観測すると予想されます (参考:AXIMA QIT application 4)。
そこで引き続き,m/z1562.6をプリカーサイオンとし,MSnによる糖鎖シークエンス解析を行いました。

Fig 2. MSn(MS3~MS6)spectra of 10 BP


O,2A6 ion (m/z1562.6) をプリカーサイオンとしてMS3スペクトルを得たところ,予想通り2,4A6 ion(m/z1502.6)およびB5 ion(m/z1442.6)を観測しました。 そして B5 ion(m/z1442.6)をプリカーサイオンとして得られたMS4では,2糖から7糖で構成されるプロダクトイオンを検出しました。
さらに,m/z1077.5 のMS5m/z712.3 のMS6まで行い,単糖のシグナル([Hex or GlcNAc + Na]+)を観測しました。 このように,MSnスペクトルから豊富な糖鎖構造情報を得ることができました。

試料提供:横浜市立大学大学院総合理学研究科 梶原 康宏 先生
 

AXIMA Resonance

レーザーイオン化四重極イオントラップ飛行時間型質量分析装置

AXIMA Resonance は,プロテオミクス・糖鎖解析などを強力にサポートするMALDI-QIT-TOFMS装置です。
四重極イオントラップ(QIT)を装備し,MALDIによって,生成されたイオンをfmolオーダーでMSn乗測定します。
これらの特長により,分子量だけでなく構造情報を入手することができ,プロテオミクス研究をはじめとする生化学・薬学・医学・合成化学・有機化合物構造解析に幅広く対応します。

Top of This Page