PCRダイレクトシーケンスにおけるMultiNAの有用性

PCRダイレクトシーケンスにおけるMultiNAの有用性

PCRダイレクトシークエンスは,PCR反応後の増幅産物をクローニングを行うことなく,直接鋳型として塩基配列を決定する方法です。この方法はクローニングベクターにPCR産物をクローニングする手間がないこと,クローニング後の塩基取込間違いによる影響が低いことなどから,早期に塩基配列情報を得るために非常に有効な手段です。
しかしながら,PCR後の増幅状況によりその結果が大きく左右されます。その成功率を高めるためにはシーケンス反応前にPCR産物の純度(質と量)を確認しておく必要があります。その確認には従来アガロースゲル電気泳動法が多く用いられてきました。
しかしながら,一見,目的PCR産物が単一であると確認できているにもかかわらずシーケンス分析では複数のサンプルが混在したようなシーケンスデータだったということがあります。その原因の一つとして考えられているのがアガロースゲル電気泳動の感度の限界です。この方法では微量に含まれているPCRの副反応物の存在を明らかにすることが困難です。
ここでは,岡山県農林水産総合センター生物科学研究所にてアブラナ科植物のハウスキーピング遺伝子探索の際に行ったPCRダイレクトシーケンスにおけるPCR産物の純度検定をご紹介いたします。

それぞれのPCR産物はサイズが異なるにも関わらずアガロースゲル電気泳動ではほぼ同じサイズで検出されました。 MultiNAによる電気泳動結果ではサンプルWestarで副反応物が検出されました。ゲルイメージでは薄く確認できますが,エレクトロフェログラムではDNAがはっきりとピークとして検出されているのを確認できました。しかしながら,アガロースゲル電気泳動ではこれら副反応物は検出されませんでした。

MultiNAではエレクトロフェログラムのピーク面積から濃度算出することができます。この値はシーケンス反応に用いるには十分許容されるレベルです。従いまして,PCRダイレクトシーケンスにおけるPCR産物の純度検定にMultiNAは非常に有効です。

※サンプルおよびデータご提供先
岡山県農林水産総合センター生物科学研究所(RIBS)植物免疫研究
グループグループリーダー鳴坂義弘先生、鳴坂真理先生

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DNA/RNA分析用マイクロチップ電気泳動装置

マイクロチップを用いた電気泳動法により,DNAやRNAのサンプルを大きさによって分離し,DNAやRNAの核酸サンプルのサイズ(大きさ)確認やおおまかな定量を行います。マイクロチップを用いることによって電気泳動分離を高速に,蛍光検出により高感度に,しかも全自動で分析することができる電気泳動装置です。


 

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