梅農産物漬物の産地判別

梅農産物漬物の産地判別

ICP質量分析装置による梅農産物漬物の産地判別

近年,梅農産物は中国から輸入されています。日本のウメの主要品種に「南高」がありますが,中国でも「南高」が栽培されるようになってきているため,形状での判別は難しい場合もあります。国内産と中国産の価格差が大きいため,偽装が懸念されています。
成育環境の違いで,無機元素組成が異なることを利用して,無機元素組成による産地判別法が独立行政法人 農林水産消費技術センターから分析マニュアルとして公開されています。
今回、その分析マニュアルに沿って梅農産物の産地判別を行いました。

梅農産物漬物の果肉は,梅を塩漬けしたのち,塩抜きしてつける調味液が,果肉の元素組成に影響を及ぼすことが考えられます。測定には,梅の核中の仁を用いました。

梅農産物漬物の産地判別における測定対象元素
  ICP質量分析装置: Pb,Sr

国産の梅農産物漬物の方が,中国産よりストロンチウムと鉛が低濃度であるという,下記判別方法を用いました。

市販梅農産物漬物4種の産地判別結果を示します。サンプル(1)は,ストロンチウム含有量≦9.15μg/g かつ 鉛含有量≦0.036μg/gであったので,判別結果は表示産地どおり和歌山県産となりました。

残りの3種も同様に判定し,表示産地と一致したという結果になりました。

Table1 市販梅農産物漬物の判別結果

<参考文献>
梅農産物漬物の原料原産地表示判定マニュアル(暫定版) (独立行政法人 農林水産消費安全技術センター)
http://www.famic.go.jp/technical_information/hinpyou/pdf/ume_tukemono_manual.pdf

ウメ干しの仁の微量元素濃度による日本産と中国産の判別
日本土壌肥料學雜誌 76(6), 875-880

ICP質量分析装置 ICPM-8500

ICP質量分析装置は高感度・多元素同時分析・容易な定性分析・同位体分析が可能などの特長を有しています。

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