有機リン系農薬 (メタミドホスなど) の GC,GCMS分析

有機リン系農薬 (メタミドホスなど) の GC,GCMS分析

メタミドホス構造式

メタミドホス構造式

 有機リン系農薬 の 機器分析例をご紹介します。 有機リン系農薬は,右のメタミドホス(Methamidophos:C2H8NO2PS,MW 141.1)のように,化合物内にリンを持っています。
(* なお,化合物が同じでも対象となる試料や測定目的により,試験法が厳密に定められている場合があります。 このページは一般的な機器分析説明です)

GC-FPD

 有機リン系化合物の高感度機器分析には,GC-FPD (FPD: 炎光光度検出器 を搭載した GC: ガスクロマトグラフ)が適しています。
 (ガスクロマトグラフは,分析機器の流路にガスを流しておき,試料を入れるとカラムと呼ばれる分離管の中で試料成分が分離され,検出器でその量を測定する装置です)
  ガスクロマトグラフ GC-2010(FPD-2010検出器を搭載)とDB-1301カラムを用いた,リン系農薬11成分の分離例を図1に,検出下限値を表1に示しました。
* 図1および表1のリン系農薬 dichlorvos:ジクロルボス(DDVP) , methamidophos:メタミドホス, acephate:アセフェート, dimethoate:ジメトエート, tolclofos-methyl:トルクロホスメチル, parathion-methyl:パラチオンメチル, chlorpyrifos:クロルピリフォス, malathion:マラチオン, parathion:パラチオン, phenthoate:フェントエート(PAP), EPN

リン系農薬11成分のクロマトグラム

図1 FPD-2010(Pモード)によるリン系農薬11成分のクロマトグラム
(各成分90ppb濃度の標準溶液2μLをsplitless注入)

表1 検出下限値
検出下限値

FPD検出器とECD検出器の比較

図2 メタミドホス検出における FPD検出器とECD検出器の比較

 なお,メタミドホス検出における FPD検出器とECD検出器の比較を図2に示しました。 両検出器とも農薬分析・検査に用いられますが,ECD検出器(エレクトロンキャプチャ検出器)は有機ハロゲン系化合物に向き,FPD検出器(Pモード)は有機リン系化合物に向いておりメタミドホスを選択的に検出することができます。
 「選択的に高感度分析できること」は,加工食品など混合物の多い対象物中の残留農薬を測定する上でとても重要になります。

 FPD検出器のPモードは,リン専用の干渉フィルタを用いることにより,リン元素特有の光を選択的に検出します。

GCMS

 一方,検出部に質量分析計をおいたGCMS(ガスクロマトグラフ質量分析計)は,化合物やそのフラグメントの質量を測定できるため,本当にそのピークが目 的成分なのかどうかを確認する力(定性力)が優れます。 下記は,GCMS-QP2010 Plusを用いて測定した,メタミドホスのマススペクトル,および97種農薬の分離例です。

また,GCMSメソッドパッケージ 食品中残留農薬分析用をご用意しています。 測定条件,化合物情報が設定されたメソッドをご提供することで,多成分一斉分析の手間を大幅に短縮することができます。

メタミドホスの EIスペクトル

図3 メタミドホスの EIマススペクトル

GCMS-QP2010 Plus

メタミドホスを含む97種農薬の分離例(TIC)

図4 メタミドホスを含む97種農薬の分離例(TIC)

関連データ

  GC No.G217「FPD-2010 による農作物残留農薬の分析(その3)」  *
  GC No.G214「ECDおよびFPD-2010による農作物残留農薬の分析」  *
  GCMS No.M241「食品中残留農薬向けメソッドパッケージの活用」  *
  GCMS No.M238「カラム別97種農薬の分離評価その2」  *
  GCMS No.M237「カラム別97種農薬の分離評価その1」  *
  GC,GCMS 農薬データ集 GC-ECD, GC-FPD,  GCMS EIモード  *
  GC,GCMS 食品安全管理データ集「1.残留農薬」  *
     * 印データは,会員制サイトSolutions Navigatorに掲載しています
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