定性PCR法による遺伝子組換え食品の分析

定性PCR法による遺伝子組換え食品の分析

図1 定性PCR法による遺伝子組換え食品の分析手順の例

図1 定性PCR法による遺伝子組換え食品の分析手順の例

 定性PCR法による遺伝子組換え食品の分析手順の例を図1に示します。サンプルを粉砕し,抽出キットなどを使用してDNAを抽出します。ライフサイエンス紫外可視分光光度計BioSpec-nanoを用いて,抽出DNAのDNA濃度を求め,所定量の抽出DNAを鋳型としてPCRを実施します。
得られたPCR産物の電気泳動分析をマイクロチップ電気泳動装置MCE-202“MultiNA”で行い,標的遺伝子配列に対応するPCR産物の有無を確認します。

 定性PCR法は分析感度が非常に高いため,抽出DNAに含まれる僅かな組換え遺伝子の検出が可能です。分別生産流通管理での非遺伝子組換え体に対する遺伝子組換え体の混入率の許容値は5%ですが,混入率が5%以下であっても定性PCR法で組換え遺伝子が検出されることが多くあります。定性PCRで組換え遺伝子が検出されたときは,さらに定量PCR法で混入率を求めます。定量PCR法ではサンプルから抽出したDNAを鋳型として,組換え遺伝子ならびに内在性遺伝子を検出するためのプライマーによりPCRを実施します。

 定量PCR増幅曲線の解析により,抽出DNAに含まれる組換え遺伝子ならびに内在性遺伝子の数(コピー数)を求めます。混入率(%),内標比はそれぞれ式1,式2で定義されます。分別生産流通管理を実施した「遺伝子組換えでないものを分別」または「遺伝子組換えでない」と表示されている食品で,遺伝子組換え体の混入率が5%を越えた場合は,分別生産流通管理の内容の精査が必要となります。なお,加工食品では組換え遺伝子と内在性遺伝子の分解率が必ずしも一致しないため,正しく混入率を求めることはできません。

混入率(%)={(組換え遺伝子のコピー数) / (内在性遺伝子のコピー数)}×(1 / 内標比)×100 (式1)
内標比 =(純粋な遺伝子組換え農産物中の組換え遺伝子数) / (純粋な遺伝子組換え農産物中の内在性遺伝子数) (式2)

[参考資料]
農林水産消費安全技術センター,JAS分析試験ハンドブック「遺伝子組換え食品検査・分析マニュアル」,
http://www.famic.go.jp/technical_information/jashandbook/index.html

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