遺伝子組換えとうもろこし(MON810)の分析

 遺伝子組換え食品の分析例として,遺伝子組換えとうもろこし(MON810)の分析を紹介します。遺伝子組換え体(MON810)の混入率が0%,1%,5%のとうもろこし粉末サンプルからそれぞれDNAを抽出後,各サンプルから抽出したDNAを鋳型とし,とうもろこし内在性遺伝子SSIIb-3検出用2)および組換え遺伝子MON810検出用3)プライマーによりPCRを行いました。MultiNAによるPCR産物の電気泳動分析の結果を図1に示します。 内在性遺伝子SSIIb-3検出用プライマーによるPCR産物の分析では,陰性コントロール以外のすべてのサンプルにおいてSSIIb-3に対応するPCR産物(114bp)が検出されています。内在性遺伝子SSIIb-3はとうもろこしに固有な遺伝子であり,内在性遺伝子が検出されることは検出されたサンプルに対する定性PCR法による分析が有効であることを意味します。一方,組換え遺伝子MON810検出用プライマーによるPCR産物の分析では,1%および5%混入率のサンプルと陽性コントロールにMON810に対応するPCR産物(113bp)が検出されています。
 

図1 MultiNA による遺伝子組換えとうもろこし(MON810) の分析

図1 MultiNA による遺伝子組換えとうもろこし(MON810) の分析

[参考資料]
1) 島津アプリケーションニュースNo.B29,MCE-202 “MultiNA”を用いた標準分析法による遺伝子組換えトウモロコシの定性分析
2) 厚生労働省,組換えDNA技術応用食品の検査方法,http://www.mhlw.go.jp/topics/idenshi/kensa/kensa.html
3) 農林水産消費安全技術センター,JAS分析試験ハンドブック「遺伝子組換え食品検査・分析マニュアル」,
http://www.famic.go.jp/technical_information/jashandbook/index.html


品種判別,ノロウイルスG1&G2遺伝子増幅産物,アレルゲン物質など,DNA/RNA分析用マイクロチップ電気泳動装置,MultiNAを使った関連データはアプリケーションニュースでもご紹介しています。
 

DNA/RNA分析用マイクロチップ電気泳動装置

マイクロチップを用いた電気泳動法により,DNAやRNAのサンプルを大きさによって分離し,DNAやRNAの核酸サンプルのサイズ(大きさ)確認やおおまかな定量を行います。マイクロチップを用いることによって電気泳動分離を高速に,蛍光検出により高感度に,しかも全自動で分析することができる電気泳動装置です。