水道水質試験法改正に対応したアプリケーションデータのご紹介

水道水質試験法改正に対応したアプリケーションデータのご紹介

水道水質検査方法(「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法」平成15年厚生労働省告示第261号)の改正に関して,平成24年4月1日を適用開始予定日として,平成23年10月に実施されたパブリックコメントにおいて,
(1) 新たな検査方法の追加
(2) 信頼性確保にかかわる改正として,試料採取から試験開始までの期間の明確化等
が示されています。これらに対応した応用分析例をご紹介致します。

1. 液体クロマトグラフ-質量分析計によるハロ酢酸類の一斉分析方法(クロロ酢酸,ジクロロ酢酸およびトリクロロ酢酸)
 更新:2012年6月15日(LC/MS/MS新製品 LCMS-8040による高感度データ紹介)

 従来の試験法では,検水の溶媒抽出後,ジアゾメタンにてメチル化する誘導体化を行い,GC/MSによる試験法が規定されています。今回の検査方法告示においては,LC/MS法が追加され,検水の溶媒抽出と誘導体化の操作を省略,検水を分析試料としLC/MSに直接注入・分析する事が可能となり,検水採取後のラボにおける迅速な分析が行えます。
当社高速液体クロマトグラフ質量分析計LCMS-8040を用いて,各々基準値の1/20濃度以下の試料を分析した例をご紹介します。

ハロ酢酸類の構造式

ハロ酢酸類の構造式

(左から)クロロ酢酸,ジクロロ酢酸,トリクロロ酢酸のMRMクロマトグラム

(左から)クロロ酢酸,ジクロロ酢酸,トリクロロ酢酸のMRMクロマトグラム

上記のデータ以外に,検量線の直線性や,水道水に標準添加した添加回収試験においても良好な結果を得ております。(下記リンクをクリック)

2. 固相マイクロ抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法によるジェオスミンおよび2-メチルイソボルネオールの検査
 更新:2012年3月14日(詳細データ追加)

 従来の試験法では,GC-MS分析の前処理法として固相抽出法、HS法、P&T法が規定されています。今回の改定では新たに固相マイクロ抽出(SPME)法が採用されました。SPME法は、固相抽出法と比較すると,検水の使用量が少なくかつ迅速な前処理が可能です。
 採用された分析法では繰り返し精度を確保するために、内部標準法を指定しておりますが,今回は外部標準法を用いて分析した例をご紹介します。

トータルイオンカレントクロマトグラムとマスクロマトクラム

トータルイオンカレントクロマトグラムとマスクロマトグラム

3.固相抽出-高速液体クロマトグラフ法による非イオン界面活性剤の検査
 更新:2012年5月23日(データ更新,高速分析検討結果を追加)

 従来の試験法(固相抽出-吸光光度法)に,固相抽出-液体クロマトグラフ法が追加される改正が発表されており,そこに収載されている試験法にて指定される,検量線の濃度範囲上限(0.01mg/L)および下限(0.002mg/L)で分析した例をご紹介します。
 尚,前処理において固相抽出法により検水を100倍濃縮し,各種試薬に反応させ,コバルトと4-(2-ピリジアルアゾ)-レゾルシノールの錯体(Co-PAR)としたものを分析試料とするため,基準値(未処理状態の濃度:0.020mg/L)に対応する分析試料の濃度は2.0mg/Lになります。
 下図は,水道水中の濃度が0.01mg/Lとなる様に添加した試料について,試験法収載条件で分析した例(Fig.1)と,高速化条件で分析した例(Fig.2)です。

4. ヘッドスペース-ガスクロマトグラフ-質量分析計によるVOC(揮発性有機化合物)の検査
 今回の改正では、検水の採取から試験開始までの時間が明確化されました(信頼性確保に係る改正,別表第15)。揮発性有機化合物(VOC)分析では試験開始までの時間は24時間以内とされています。所定の時間内に多数の検体を処理するためには、分析機器の高速化が重要です。GCMS-QP2010 UltraはGCオーブンにダブルジェットクーリングシステムを採用することで、冷却時間を大幅に短縮しました。25種のVOC(検査方法告示の別表15に指定される化合物を含みます)を分析した例をご紹介します。分析サイクルタイムが10分まで短縮でき、所定時間内で分析できる検体数が大幅に増加します。

28種VOCのトータルイオンカレントクロマトグラム(うち3種は内部標準)

28種VOCのトータルイオンカレントクロマトグラム(うち3種は内部標準)

図中の番号と対象化合物名

図中の番号と対象化合物名

トリプル四重極LC/MS/MSシステム

環境中に排出された汚染物質の測定など,複雑なマトリックス中の微量分析において,今や「トリプル四重極型質量分析」がなくてはならない存在となっています。 そして近年,高速・高分離を実現したUHPLCが登場。 しかし,このUHPLCとトリプル四重極型質量分析計の連携では,質量分析計の測定スピードがボトルネックとなっていました。
 これを解決すべく誕生したのが,島津のLCMS-8030です。 MRM測定の高速化と,超高速正負イオン化切替技術を融合しました。
 そして2012年には,MRM測定の高速化と,高感度化の両立に成功したLCMS-8040をリリース。UHPLCの性能を最大限に活かすベストパートナーとして,分析スピードの限界を打ち破ります。
 

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