アモルファスシリコン膜中のSi-Hの測定

アモルファスシリコン膜中のSi-Hの測定 

結晶シリコン太陽電池の高効率化においては,発生したキャリアの再結合を抑制するために表面および裏面のパッシベーションが重要とされています。そのパッシベーション膜としても利用される水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)のSi-Hの評価にはフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)が有効です。

ここでは,水素化アモルファスシリコン膜中のSi-Hのピークを測定した結果をご紹介します。
測定は透過法および1回反射型全反射測定装置 (MIRacle Geプリズム) を用いたATR法で行いました。
試料はシリコン基板上に成膜された膜厚の異なる (11,22,45,90nm) 水素化アモルファスシリコン膜です。

図1は透過法で測定した結果です。2000cm-1付近にわずかに吸収が確認できます。
ベースライン補正を行い,2000cm-1付近を拡大したものを図2に示します。
2000cm-1付近にSi-Hに起因する吸収が確認できます。
ピークの高波数側の傾斜が緩やかなのは2100cm-1付近にSi-H2に起因する吸収が存在することによります。

図1 透過法によるシリコン基板上a-Si:Hのスペクトル

図2 透過法によるa-Si:Hのスペクトル

次に同じ試料の測定を1回反射型全反射装置で行いました。
ベースライン補正を行った後,図2と同じ縦軸領域で重ね書きしたものが図3です。
透過法の結果に比べて2倍以上の強度で感度よく測定できており,10nm程度の膜厚においても評価が可能となります。

図3 1回反射全反射法によるa-Si:Hのスペクトル

【測定条件】 装置:IRAffinity-1
分解:4cm-1 積算:40回
パージガス:乾燥空気

試料ご提供: 国立大学法人東京工業大学 大学院理工学研究科 電子物理工学専攻 宮島晋介准教授

1回反射型全反射測定装置(MIRacle)

直径約2mmのプリズムに試料を密着させて測定します。液体試料ならば一滴滴下するだけで、また、プラスチック・繊維・フィルム・粉体のような固体試料の場合は、プリズム表面に押し付けるだけで測定ができます。

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