バイオディーゼル燃料中の金属の分析

バイオディーゼル燃料として規格化されている脂肪酸メチルエステル(FAME)には,製造過程で使用される触媒等によりナトリウム(Na)やカリウム(K)が含まれます。 これらの含有量が多いと,固形物や金属石けんとなり,エンジンの燃料注入器やバルブに付着したり,フィルターを詰まらせるなどの不具合につながります) 。 そのため,バイオディーゼル燃料として使用されるFAMEには,NaとKの総含有量が5 mg/kgを超えてはならないという規格があります。
パームオイルから製造されたFAME中のNaとKをフレーム原子吸光法で分析した例をご紹介します。
<結果>
今回測定したサンプルのNa,Kの合計含有量は5mg/kg未満で,EN14214の仕様を満たしていることがわかりました。

FAME中のNaとKの含有量

FAME中のNaとKの含有量

Na、Kの検量線

Na、Kの検量線


 

原子吸光分光光度計

原子吸光分析法とは液体試料をネブライザで吸い上げ,バーナー中に噴霧して加熱,原子化します。そこにホロカソードランプを用いて測定元素固有の波長の光を照射すると光は原子に吸収されます。この吸収を測定して,元素の定量分析を行いう装置です。