ラップフィルム層の分析/顕微ラマン

ラップフィルム層の分析/顕微ラマン

塩化ビニリデンがその代表的素材としてよく知られている食品包装用のラップフィルムは,厚さが10~20μm程度の薄いフィルムです。最近では環境にやさしい製品が消費者に好まれるため,塩素化合物製品の代替品が市場でも目を引きます。 これらのフィルムは多層構造になっているものあり,3層以上からなる場合は,フィルムの各層の成分を分析するには顕微FTIRよりもより空間分解能の高い顕微ラマンが有効な手段となります。
このような試料の場合,装置の性能を最大限発揮するためにも,フィルムをいかにうまくスライスするかが,分析の成否を大きく左右することになります。ここでは,(株)日本ミクロトーム研究所の協力をいただいてフィルム切片を作成し,3層フィルムについて測定した結果をご紹介します。


図1は厚さ5μm の設定で切り出した市販のラップフィルムの切片の拡大写真です。これよりフィルムの厚さは約10μm で,3層構造になっているのが確認できます。
図2は表層のスペクトルと中間層のスペクトルを重ね書きにしたものです。
これらのスペクトルをデーターベースを用いて検索した結果,表層はポリプロピレン,中間層はナイロンのスペクトルと一致しました。

図1 ラップフィルム切片の拡大写真

図2 各層のラマンスペクトル


 

ラマン分光光度計

レーザー光を試料に照射し,試料からのラマン散乱光を受光してラマンスペクトルを求めます。ラマンスペクトルは分子の振動に基づくもので,ラマンスペクトルから物質の定性や構造に関する知見が得られます。
 

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