表面硬化された歯車の故障解析 ~ 硬さ分布評価,炭素含有量マッピングによる破壊起点解析

シャフト,軸受け,歯車など負荷の加わる自動車の機構部品は高周波焼き入れ,窒化・炭化処理,コーティング技術などを利用して硬さを高めることで摩耗性,耐久性を向上させています。通常は硬化層深さを測定することで品質を確認しますが,部品形状と処理条件によっては硬さにムラがでることもあり硬さ分布を評価するニーズが増えてきています。溶接,圧接についても同様で硬さ分布を評価することで従来よりも詳細な評価ができるようになってきています。また,通常の硬さ試験では一部を切り出して試験をしますが,部品形状そのままで硬さ試験をするニーズがでてきています。硬さマッピングは炭素含有量の組成マッピングとあわせて詳細に解析されることもあります。これらニーズに対応した硬さ試験・組成マッピングの最新トピックスをご紹介します。

自動車部品の硬さムラの評価

歯車の硬さマッピング

歯車の硬さマッピング

硬化層深さ評価 (JIS G0559,ISO3754)

硬化層深さ評価 (JIS G0559,ISO3754)

歯車の炭素含有量マッピング

歯車の炭素含有量マッピング

HMV-G31-FAシリーズ

HMV-G31-FAシリーズ
硬化層深さから硬さマッピングまで全自動で行える全自動タイプ

EPMAシリーズ

EPMAシリーズ
炭素含有量マッピングなどの組成分布評価ができる

  • エッジ検出機能によりサンプルの形状を自動認識した上で試験位置を簡単に指定できるため硬化層
    深さの評価はもちろん,簡単に硬さマッピングの評価が可能。
  • 機能的なデザインにより作業空間が奥行き方向に広く,さらにフレーム中央部が吹き抜けになっており,従来では試験できなかった部品もそのままで試験が可能。
  • 島津製作所製EPMAはX線取り出し角度が高いため,凹凸試料や湾曲試料においてより鮮明な分布を得ることができ,様々な用途・サンプルに活用可能。