JIS K2247-2に準じた尿素水溶液の定性 / FTIR

JIS K2247-2に準じた尿素水溶液の定性 / FTIR

トラックやバスのディーゼルエンジンから排気される窒素酸化物NOxの浄化技術として,尿素SCR(選択触媒還元,Selective Catalytic Reduction)システムが広く知られています。これは,尿素を用いて窒素酸化物を窒素N2と水H2Oに還元するものですが,還元剤としては,AdBlue®注1)の商品名で知られる32.5%尿素水溶液が広く用いられています。
NOx還元剤として用いられる尿素水溶液についてはJIS K 2247-1で品質要件が,JIS K 2247-2で試験方法が定められており,その一つに「赤外線吸収スペクトルによる定性」があります。
JIS K2247-2 附属書Jに則って,FTIRを用いて尿素水溶液の測定を行いました。
10%を超える濃度をもつすべての尿素水溶液は,同じ特徴的なピークをもつ赤外線吸収スペクトルを示すことを利用し,既知の基準スペクトルと目視で比較して同等かどうかを判定します。ただし,「この方法では,濃度の違い又は不純物の有無の違いを判定することはできない」とされています。
測定は液体セルまたはATR装置を用いて行います。ここでは,一回反射型ATR付属装置を用いました。JIS K2247-2 附属書Jに掲載されている基準スペクトル例とほぼ同様のスペクトルが得られました。LabSolutions IR標準搭載の「確認試験プログラム」を用いることで,指定のピークを簡単に検出することもできます。

注1)AdBlue®はドイツ自動車工業会(VDA)の登録商標です。

尿素水溶液のATRスペクトル

測定条件

装置:フーリエ変換赤外分光光度計IRAffinity-1S
    1回反射型全反射測定装置MIRacle10(ZnSeプリズム)
分解:4cm-1

赤外分光光度計(FTIR)

主に有機化合物の構造推定(定性)を行う分析装置です。
赤外線を分子に照射すると,分子を構成している原子間の振動エネルギーに相当する赤外線を吸収します。この吸収度合いを調べることによって化合物の構造推定や定量を行います。

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