ライフサイエンス
MCE-202“MultiNA”を用いたPCR-RFLP法によるマグロ属魚類の品種判別
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はじめに
近年,食品の安全,健康に対する消費者の関心が高まっています。これをうけて,JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)が改訂されました。このなかで品質表示基準制度が定められ,食品の名称や原産地等を正確に表示するよう義務づけられています。製造者または販売業者は商品の選択の目安になる情報を消費者に正確に伝える必要があります。 なかでも,日本人が多く食するマグロ属魚類は生鮮・加工の状態では外観からの種の判別が困難です。それゆえ,流通の過程での取り違え,不正表示,偽装が社会的問題として取り上げられており,迅速簡便かつ正確な品種判別技術が求められています。 ここでは農林水産消費安全技術センターと水産総合研究センター中央水産研究所がマニュアル化したPCR-RFLP(Polymerase Chain Reaction - Restriction Fragment LengthPolymorphism)法を用いて大西洋産クロマグロ(Thunnusthynnus),ミナミマグロ(T. maccoyii),メバチマグロαおよびβ(T. obsus),キハダマグロ(T. albacares),ビンナガマグロ(T. alalunga)の魚種判別例をご紹介します。魚種判別に用いるPCR-RFLP産物の分離パターンの検出にはマイクロチップ電気泳動装置MCE-202“MultiNA”を使用しました。
2010.05.17