超低温捕集を用いた水素化物発生

原子吸光法によるSb, Seの高感度分析

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はじめに

ファーネス分析では通常,室温の状態で試料をチューブに注入しますが,これに対して,チューブを加熱した状態で試料注入を行う方法は加温注入法と呼ばれています。加温注入法を用いる利点としては ①注入時に乾燥も行なわれるので大容量の試料も注入でき,高感度化が期待できる。 ②通常の炉内濃縮法では注入・乾燥を繰り返すため時間がかかるが,加温注入法を用いれば短時間に炉内濃縮が行える。 ③酸濃度が高い試料や有機溶媒のようにチューブ内で広がりやすい試料の広がりを押さえることにより,感度や再現性が改善される。 などがあげられます。今回は河川水の標準物質(SLRS-3)中の微量カドミウムとクロムを加温注入法を用いて注入量を100μLとすることにより高感度で分析した例をご紹介します。

2002.06.09