超高速液体クロマトグラフNexera X2を用いた
食品中成分の高速・高分離分析

アピ株式会社様は,はちみつ・ローヤルゼリー・プロポリスなど蜂産品の加工製造・販売・研究開発のほか,健康食品や医薬品の受託製造ならびに原料の提供などの事業を展開されています。今回は超高速液体クロマトグラフNexera X2をお使いいただいている長良川リサーチセンターの加藤様にお話を伺いました。

 
 
 

今回のCustomer

アピ株式会社
長良川リサーチセンター 分析化学グループ長
加藤 健司 様

※掲載内容(所属団体,役職名等)は取材時のものです。

アピ 株式会社様 Webサイト

インタビュー

食品分析において超高速液体クロマトグラフNexera X2をご購入いただいた背景・動機・選定のポイントについてお聞かせいただけますか?

はい,高い分離能を持つLCが必要だからです。サンプルは自然由来で主成分以外に夾雑成分も多く含まれています。したがって主成分を再現性よく分離することが求められます。例えば1000成分も含まれるようなものから,1成分を分離しないといけないケースもあり得ます。高感度かつ高い分離能で分析できるかが一番重要なことです。

超高速よりもまずは高分離能な分析ができることが重要なのですね。

超高速分離のカラムを使用し,分析時間は15分から20分くらいを目処にして,より高い分離が得られる分析条件を見出しています。超高速分析ではありませんが,通常のHPLCでは1時間要していた分析時間が,半分以下に短縮される大きなメリットがあります。

そうすることで「分離に余裕を持たせる」ことができるのですね。

はい。もちろん分析時間の短縮も重要です。移り変わりの激しい食品業界では,新規原料の前処理から分析方法確立までを1~2週間で行わなければならないことがあります。短い時間で多くの条件を検討することができるUHPLCが必要でした。

UHPLCは熟練者向きのLCなイメージがあります。しかしNexera X2は基本性能が高いので,初心者にも向いていると思います。「高速分析」と「高い再現性」を両立しているからです。

ありがとうございます。以前は「UHPLCは高速だが分離や再現性は良くない」というようなイメージがありました。それを何とか払拭したいという思いで,開発陣が一丸となって基本性能を犠牲にせず製品化したのがNexeraシリーズなのです。

また高感度に検出できることも必要です。食品成分の吸収性を評価する場合,特に微量な機能性成分では,さらに生体内で薄まった成分を検出することは非常に困難です。また,血液などの生体由来試料は少量しか得られない場合が多く,少ない注入量で高感度に分析する必要があります。目的とする成分濃度が100 pg/mL~1 ng/mLの試料を注入量10 μL未満で検出できる可能性に期待しました。

さらにオートサンプラの自動前処理も必要な機能でした。蛍光検出における誘導体化分析を用いて,脳内物質やアミノ酸などに対応する高感度分析の検討を行っていました。また,この機能を用いて自動で検量線を作成することができ,定量分析に要するオペレータの手間が軽減さることが期待されます。

当社のHPLCはどのようなお仕事に使用されていますか?

まずは「原料開発,製品開発」があります。食品原料に含まれる指標成分の定量分析や原料を加工した後の成分変動を評価しています。また粉末や製剤にした際に有効成分が減少しないかなどの評価や製剤の溶出試験評価にも使用します。次に「吸収試験」があります。生体内に吸収される有効成分の含量や,経時的変化の評価を行います。さらに「品質管理」の用途で 加速試験による成分の安定性を評価します。

実際にどのようなサンプルを分析されることが多いですか?

ローヤルゼリー,プロポリス,蜂蜜あるいは花粉荷などの蜂産品や,一般食品素材に含まれる低分子化合物や高分子化合物になります。

サンプルの形態としては,液体原料,凍結乾燥などの粉末原料,ハードカプセル製剤,ソフトカプセル製剤,ドリンク製剤などがあります。

ではNexera X2を実際にお使いになられてのご感想はいかがでしょうか?

期待通りに高い分離能をもつ高速分析が実施できています。通常のHPLCと同様のクロマトグラムが,4分の1の時間で得られています。
使用頻度は3,000~4,000注入回数/年であり,条件検討やルーチン分析にも活躍しています。
また再現性が高く,安定した分析が得られています。
保持時間や定量値において日間差1%以内での定量分析ができています。これは特に0.01分の保持時間の違いが分子量に大きく影響するGPC分析で特に活躍しています。自信をもって報告書を作成することができます。

さらにベースラインが安定しており,特に高波長での分析に優れています。色素を分析することも多くあり,400~800 nmの波長において他社のLC製品よりもベースラインが安定であり,感度も得られています。特に感度を必要とする吸収試験で他社製品との違いが明確となっています。

カラムオーブンが大きいので,大きなカラムから小さなカラムまで対応でき,昇温が速く安定性も高いと感じます。

カラムの取り付けが簡単で,しかも分析中に漏れない安心感があるとのことですね。

はい,カラムの取り付けはレンチで締めますが,少し慣れて感覚をつかめば容易にできます。さらに漏れの心配もありません。これはグラジェント分析において特に有効です。カラムの取り付け時には漏れがなくても分析中に圧力が上がって漏れてしまう場合があり得るからです。それに気付かずに分析したら結局やり直さないといけません。

さらに溶媒使用量が削減できるのもメリットです。

Nexera X2では溶媒使用量が通常のLCに比べて3分の1程度です。溶媒を購入する回数や移動相を調製する回数が削減できることで,コストや煩雑性が減ったと実感します。さらに環境保護の観点からも重要といえます。

毎日使用されているとのことで,製品の頑健性も大切ですね。

食品原料の分析から吸収試験まで多様な分析を求められる弊社において,LCが稼働しない日は1日もありません。この状況の中で故障修理による分析日のロスは最も避けたい事象のひとつです。したがって製品の頑強性は大変重要です。

Nexera X2の購入を検討した際,代理店さんからの強い推薦がありました。またNexera X2が納入されている他所から「壊れない」「サポート体制がしっかりしている」の声を聞いていました。さらに弊社で使用しているProminenceは10年以上故障がないことも大きな要因でした。

実際に納入されてみて,サポート体制はいかがでしょうか?

島津さんはサポート面が良いと感じます。納入時にメンテナンスを説明していただき,分かりやすいと感じました。標準品(カフェイン)を用いた再現性確認,グラジエント確認等,部品交換後の動作確認も理解できました。他社製品では部品交換のみの説明で,実際にサンプルを使った確認をしない場合もあったからです。また不具合への対応が早く,即日駆けつけて対応いただいており心強いです。

Nexera X2に関するご意見やご要望はありませんか?

今以上の高速,高圧のシステムは不要と考えます。むしろ従来のLCと超高速タイプのLCを使用した人の中には,中間位の時間軸での分析がよいのではと感じる人も多いと思います。Nexera X2は汎用性が高く,高速と低速,高圧そして低圧に対応できるUHPLCシステムだと考えています。

製品への要望としては,システムのpH耐性がpH12位まであるとよいと思います。実際に移動相を高アルカリ性にすることは極めて少ないですが,タンパク系の分析後にアルカリで洗浄できるとよいと思います。

あとはS/Nが良いカラムの開発です。また,有機酸やアミノ酸等水溶性成分を保持するカラムです。

対象成分を確実に分離する「美しいクロマトグラム」を得るためには,やはりカラムの性能によるところが大きいと思います。先日,島津さんにはゴーストトラップを推奨いただきました。今後そのような技術を活かした分離カラムの開発に期待します。

今後当社の製品に期待されることはありますでしょうか?

特にGC-MSに期待しています。不明成分の解明や脂溶性成分を分析する最初の選択肢となります。さらに代謝物の分析などにも期待しています。

本日は貴重なお話をどうもありがとうございました。

インタビュアーコメント

 

 

アピ様へのインタビューさせていただく中で,食品業界様のLC分析における高分離の重要性を再認識致しました。また,様々な分析用途でお使いいただき,高い稼働率を維持されていることをお教えいただきました。Nexera X2ならではの安定性・再現性を高くご評価いただいていることが実感でき,非常に嬉しく思っております。
ぜひ食品業界の皆様に,Nexera X2による質の高い,高速・高分離分析をご実感いただきたいです。
また,今回は「美しいクロマトグラム」という言葉をキーワードに,カラムも含めた新製品の開発についてご意見を頂きました。今後も上質なデータをお取り頂ける製品のご提案,アフターフォローに努める所存です。どうぞよろしくお願い致します。

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