SALD資料館
1.ワクチンやタンパク質の凝集の評価
図 1  ワクチンの測定結果のイメージ

図1  ワクチンの測定結果のイメージ

ワクチンやタンパク質の測定結果のイメージは図1のようになります。すなわち、数百nm以下の1次粒子と、数μm程度の凝集体、さらに10μm以上のコンタミ成分が含まれています。
ワクチンを効果的かつ安全に作用させるためには、凝集体やコンタミ成分が少ないほうがよいことは言うまでもありません。また、タンパク質についても、ほとんどの場合、その凝集を抑制することが重要な課題になっています。
従来、このワクチンやタンパク質の評価のために動的光散乱法の装置が使用されてきました。ところが動的光散乱法の装置では、測定上限が数μm程度なので、凝集体やコンタミ成分の存在は、ほとんど測定できていなかったものと考えられます。
このため、凝集体やコンタミ成分の測定のためには、別の測定原理の装置も併用されてきました。ただし、この場合でも、別々に測定が行われるため、正確な成分比率は評価できませんでした。

ナノ粒子径分布測定装置SALD-7100では、測定原理にレーザ回折・散乱法(静的散乱法)を採用し、10nm~300μmまでの測定範囲をもっているので、1次粒子も凝集体やコンタミ成分も同時に一台の装置で測定できます。これによって、ワクチンやタンパク質の凝集状態の評価を迅速かつ正確に行うことができます。
また、その時間的な変化も1秒間隔で測定することもできます。

この特長を示すために、90nm(0.09μm)と5μmの粒子(ポリスチレンラテックス)を用いて実験を行いました。その結果を図2、図3および図4に示します。
図2  90nm ( 0.09 μm)の粒子の測定結果
図2  90nm ( 0.09 μm)の粒子の測定結果
図2  90nm ( 0.09 μm)の粒子の測定結果
図3 5μmの粒子の測定結果
図3 5μmの粒子の測定結果
図3 5μmの粒子の測定結果
図4 90nmと5μmの粒子の混合物の測定結果
図4 90nmと5μmの粒子の混合物の測定結果
図4 90nmと5μmの粒子の混合物の測定結果
90nmの粒子(図2)では44番目の素子から散乱光が検出され、5μmの粒子(図3)では、14番目の検出素子から散乱光が検出されています。90nmの粒子に少量の5μmの粒子を加えると、図4に示すように、90nmと5μmの粒子の光強度分布データを一定の比率で重ね合わせた光強度分布データが得られます。 これは明らかに90nm粒子だけの形状とは異なり、大きな粒子が含まれていることが確認できます。このことは、検出された生データである光強度分布データにおいても、凝集体が存在するかどうかが確認できることを意味しています。つまり、測定結果として得られた粒度分布データに凝集体やコンタミ成分が存在する場合、光強度分布データを見ることによって、粒度分布の測定結果の妥当性を検証できることを示しています。
※外観および仕様は改良のため、予告なく変更することがあります。

特長測定データ:アプリケーション:仕様
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