粉博士のやさしい粉講座
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中級コース:粉の測り方いろいろ
3 水銀圧入法による細孔分布測定
水銀の表面張力が大きいことを利用して粉体の細孔に水銀を浸入させるために圧力を加え、圧力と圧入された水銀量から比表面積や細孔分布を求める方法です。
自動ポロシメータ オートポアシリーズで採用している細孔分布測定の原理です。
ガス分子の吸着と圧力の変化
粒子や固体の表面には細孔(さいこう)と呼ばれる小さい穴がたくさんあいています。この細孔は粒子や固体の触媒作用や吸着作用、保温・防音効果、材料強度や保水度といった物性と深いかかわりを持っていることが知られています 。 粒子表面の細孔
試料表面のようす
試料の入った容器内を真空排気したのちに水銀を満たします。

水銀には物質を濡らさない性質があるため、試料表面の細孔には水銀は入ってきません。
試料表面のようす
しかし、水銀に圧力をかけると、細孔の中に水銀が入っていきます。
水銀にかける圧力を増やすにしたがって、大きい孔から順に小さい孔にも水銀が入っていきます。
試料表面のようす
水銀圧入法について
どれくらいの圧力をかけたときに、どれくらいの大きさの孔に水銀が入っていくかは、理論的に計算することができます。

したがって、かける圧力を連続的に増加させながら、水銀液面の表面の変化(つまり細孔への水銀侵入量)を検出していけば、試料表面の細孔の大きさとその体積
が測定できるわけです 。
水銀圧入法について
粉博士イラスト
  水銀圧入法では、数100μm~数nmまで幅広い範囲の細孔分布を測定できるのじゃよ。ガス吸着法と、うまく使い分けることがポイントじゃな。  
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